うちの環境で使っているPCケースは、Fractal Design の Torrent といいます。
ケース前面に180 x 38 mmの大風量ファンを2つ搭載しているのが特徴で、ケース前面からまっすぐ後ろに抜けていく強力なエアフローを実現しています。そのため、途中にでっかいヒートシンクを置いてやれば、特にCPUファンとかを付けずとも十分に冷えちゃうじゃないか、それは美しい構成だな……と思って、こちらのドデカいヒートシンクをセットで買って、組み込んでいました。
……が、Intel Core i7-13700KはそんなにあまいCPUではなかったようで、ベンチマークソフトで測定すると、フルロード時にちょこちょこと100℃を超えてしまいます。当然サーマルスロットリングが作動して動作クロックは低下、その分性能は落ちる。
通常使用でそこまで追い込むことが自分の用途の場合はまずないし、万一の場合もサーマルスロットリングが働くことで温度による損傷を防いでくれているんだから、まあいいんじゃないのと思う気持ちもあるんですが、やっぱり少し気持ちが悪いので、まずは簡単にできるとこからと120mmファンをヒートシンクに追加することで冷却強化を図ることにしました。
thermaltake TOUGHFAN 12を買ってみた
Noctua NH-P1には120mmファンを増設するためのクリップが付属しているので、今回はそれを素直に使うことにして、こちらの120mmファンを買ってみました。
届いたのがこちら。120mmファンの中では、その性能に定評のある品です。
ファンフレームの4隅は柔らかい材質で覆われていて、防振対策が行われているようです。
ラベル面方向に吹き付ける感じですね。
トップフローとサイドフローで試してみた
今回は、CPUに対して真上からヒートシンクに吹き付ける形になるトップフローと、ヒートシンクの横からケース背面側に向けて吹き付ける形になるサイドフローの2種類の付け方で、温度変化を確認してみます。これで80℃台に収まるようになってくれるといいんだけどな……と願いつつ。
まずファンをつけていない状態でベンチマーク(Cinebench)をとってみた場合の、ざっくりした結果は次の通りです。
ファン位置 | アイドリング時の温度 | ベンチマークスコア | ベンチマーク中の最高温度 | サーマルスロットリング |
ファンなし | 36~38℃ | 28,892 | 100℃ | 発生 |
続いてはトップフローで試してみましょう。
ベンチマーク結果は次の通りでした。
ファン位置 | アイドリング時の温度 | ベンチマークスコア | ベンチマーク中の最高温度 | サーマルスロットリング |
トップフロー | 39~40℃ | 28,800 | 100℃ | 発生 |
アイドリング時の温度が妙に高い時点で嫌な予感はしたんですが、見事にベンチマーク結果にも数字としてあらわれています。ファンなし状態よりも逆にスコアが低くなってる。ベンチマーク中の温度変化を見ていても、100℃に到達するコアの数と回数が明らかに増えていました。
恐らくはここにファンを足したことで、ケース前方から後方へと抜けていく風の流れが阻害されてしまったんでしょう。
最後はサイドフロー。お願いだから効果が出て欲しい……。
ベンチマーク結果は次の通り。
ファン位置 | アイドリング時の温度 | ベンチマークスコア | ベンチマーク中の最高温度 | サーマルスロットリング |
サイドフロー | 35~36℃ | 29,695 | 100℃ | 発生 |
一応アイドリング時の温度は微妙に下がってるし、スコアも一番高い点が出ています。一応。でもやっぱり100℃に到達するコアはちらほらあって、サーマルスロットリングの発生を抑制できていません。
微妙……だなあ。
結局、ファンを増設するのはやめちゃいました
今回のTOUGHFAN 12は、さすが評価の高いファンなだけあって、妙な軸音がすることもなく風音も静かで(最大風量で回っている時はどうせ前面の180mmファンの音でかき消されている)、印象としては良いファンでした。ただ、付けていてデメリットを感じることはなくて一応効果はある……んですけど、それでもやっぱり取り外して箱にしまってしまいました。
効果があるとするには微妙すぎる差。結局サーマルスロットリングも発生するし、普段使いの範囲ではそもそも必要となるケースがない。となると、精神衛生上の足しにもなりません。
結局は、純粋に風量だけ見ればほとんど前面の180mmファンで足りていて、ただIntel Core i7-13700Kの熱を一時的に受け止めるに足るだけの容量が、Noctua NH-P1には微妙に備わっていないということなんでしょう。
なんせコア温度をグラフ化したらこれですからねえ。温度が即座に急上昇して、そのまま上限に張り付いてる。
うーん、水冷じゃないとこれは無理なのかも。
しかしあくまでもこのPCケースは「空冷に最適最強なケース」として買ったもの。それで水冷に行くのはなんか盛大に負けた感が拭えません。でも、精神衛生上サーマルスロットリングが起きない程度には冷やせるようにしておきたい……。
悩みは深まるばかりです。
おはようございます。
昔の空冷エンジンでよくやっていたアルミの洗濯ばさみをたくさん取付けるとかどうでしょう( ´艸`)
それいいですね!(笑)
Intel Core i7-13700K でファンレスですか、ロマンですね~。(^^;;)
そろそろ私もK無しの 13700F で新しいPCを組もうと思っています。
ファンレス魅力的だなぁ。
プランは完璧だったんですけど、現実は切なかったです(^-^;
はじめまして
マザーボードの初期設定だとおそらく無制限か241Wになってると思うのでBIOSで電力制限を設定してやれば冷えると思います
はじめましてー。
一応オフセットで電圧は下げてあって、ただMTPは下げたくなくて現状のようなことになっています。
始めまして
Torrentは空冷CPUクーラーや空冷GPUを前提でのPCケースとなりますね。
簡易水冷にしてしまうとフロントにラジエーターを置くと思われるのですが、
そうするとこのPCケースのコンセプトである180mmファンを取り払うことになるので
180mmファンの圧倒的な風量が失われてしまいコンセプトが崩壊してしまいますね。
それなら他のPCケースでよくね?ってなるので癖がつよつよですね~
NH-P1ではなくNoctuaのNH-D15にして低ノイズアダプタ(LNA)とりつけて
BIOSでファンの回転数を超ゆるゆるにしてみてはどうでしょうか?
ファンレスではなくなってしまうものの、ほぼ無音でCPUの温度もサーマルスロットリングに到達しないようにできるのではないでしょうか。
自分もTorrentでAMD Ryzen 9 5950X使ってて
NH-P1興味があります。
ロマンを追い求めてしまいますねw
フロント180mmファンを全開にしてボトムファンを
フロント180mmファンより少ない回転数で調整するのがいいかもしれません。
ボトムファンの回転数(風量、静圧)が高いとGPUの熱気がCPU部分に行って
結果的にCPUやマザーボードのVRM部分が熱くなってしまうので注意が必要です。
長文失礼しました。応援しています。頑張ってください~
追記
フロントファン 60%PWM メイン冷却
ボトムファン30%PWM もしくは 40%PWM あくまでおまけ程度の回転数
での運用が一番エアフローがいいのかもしれませんね。
「180mmファンの圧倒的な風量」はTorrentを使う以上無視したくないですよね~。
結局、冷却速度よりも熱を一時的にためておける容量が足りていないと判断して、水冷クーラーを組み込んじゃいました。後日また記事にすると思いますが、180mmファンはそのまま残したかったので、ラジエーター側にポンプがついている水冷クーラーを選んで、ケースのボトムに設置。これでサーマルスロットリングも起きず、クーラーが無用にうるさくなることもない静かな環境が作れたので、満足しています。
通常、水冷ヘッドにポンプがある簡易水冷CPUクーラーは
ポンプより下にラジエーターを置いてしまうとエア噛みによる
CPUの冷却異常や、異音、ポンプの寿命を縮めてしまう等の原因になってしまうのですが
ラジエーター側にポンプがあるCPUクーラーなら、大丈夫そうですね。
簡易水冷CPUクーラーは構造上どうしても複雑になってしまうので
空冷CPUクーラーと違って不良率が高めになってしまうので、
保証期間が経過したら素直に買い替えたほうがよさそうです。
おせっかいですが、保証期間は絶対に壊れない期間ではなく
あくまで修理・交換をしてくれる期間だと覚えたほうが良いですね。
保証期間内に発生した不良の場合は下記が必要になるので合わせて覚えとくといいですよ。
・レシート or 納品書(コピーかスマートフォン等で撮影した画像でも可)
・パッケージ(外箱)
・本体
・購入時に付属されていた付属品一式
・代理店保証書シール(パッケージに直接貼られてる場合やパッケージにビニールで包まれているシュリンクに貼られてる場合があるので要確認)
Amazonで購入した場合は代理店を通さずにメーカーから直接仕入れて販売してる分も
製品によってはあるのでその場合は代理店保証書シールが貼られていないので
メーカーに直接RMA(返品保証)しちゃいましょう。
長文失礼しました。