デザインフェスタ VOL.57、無事閉幕いたしました

 20日(土)~21日(日)に開催された『デザインフェスタ VOL.57』。出展側として参加して、無事2日間を終えることができました。実にしょぼい「ここだけフリマスペース?」みたいな手作り感満載のチープなあしらいでしたけど、それでもそれなりにぽつりぽつりと足を止めてくださる方がいてありがたかったです。

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かんじんの売れ行きはこんな感じでした

 今回出展するにあたって持ち込んだのは、拙著『キタミ式イラストIT塾シリーズ』で用いているキャラクターたちの立体と、ワコムのペンタブ用に作った3Dプリント製オリジナルグリップです。

 まずはキャラクターの方。なんとかかんとか手作業で生産して揃えた数はこんな感じ。これが1日目のスタート時点です。

 最後、撤収前にはこうなりました。

 たいして告知も出さず、しょぼい立て付けで突進してみたはじめての出展にしては、たくさん買ってもらえた方じゃないかと思います。決してお安くはない値段で出させていただいたのに、中には全種コンプリートで買って行ってくださる方も数名いて、本当にありがたかったです。

 表情は「普通(無表情)」を基本として、「笑顔、故障中」バージョンを若干数作っていったんですが、圧倒的に笑顔バージョンの動きが良かったのが意外でした。みんな笑顔好きなんですね。もっとそっちも作っておけば良かったなあ。

 一方でワコムのペンタブ用グリップはまったく売れませんでした。ちょっとしか売れなかったとかじゃなくて、まったく売れませんでした。0本です。
 2日目に思い切って値段さげてみましたけどやっぱり売れてくれなかったので、これは多分市場的に合ってなかったっぽいですね。たまに食いつく方がいても「自分が何を使っているかよくわからない」というパターンばかりでした。

商品は「ひと目でわかる」特徴にまとめた方が良さそう

 パソコンくん、サーバくんのキャラクターとしての力はけっこう強かったみたいで、お子さんからご年配の方まで、けっこう老若男女問わず「かわいい」と目をとめてくださる方が多かったです。コロンとした感じが良かったみたい。

 そうしたお客さんは、基本的にはブースから一歩引いて、じーっと眺めるわけなんですね。自分だってそうです。お店の人に声をかけられたら、なんか気後れして立ち去っちゃう。

 そこからお客さんが一歩前に進んできてくれた時は、もう買うと決めちゃってることが案外多くて、そうするとその商品の特徴を説明するタイミングがなんかちぐはぐになってしまうんですね。特に「顔パネルが磁力で交換できるようになっていて、3種を付け替えて遊べるんですよー」なんて特徴は、眺めてるだけだとまずわかりませんし、買うと決めた後で説明されてもちょっと「オプション品の押し売り感」が出てしまう。
 結果、あまり購買の決め手には成り得ないギミックと化してしまったわりに、この「顔パネル交換式」にするために製造の手数と難度はけっこう上がってしまっていたので、「このギミックいる?」という気持ちがかなり大きくなりました。

 商品の特徴って、基本的には「ひと目でわかる」特徴に終始させた方が良いのかもしれません。

 ただ、そういう意味では手と尻尾(電源ケーブル)を可動式にしていたところも該当するんですが、ここは絶対可動式の方が良いと思うので、そうした「どうしても残しておきたい特徴」については、POPでわかりやすく掲示するとかするべきだったんでしょうね。

生の読者さんの声が多数聞こえてきて良かったです

 仕事場で「どのようにディスプレイするか」と検討していた際に、小さめのテーブルを買った関係で横にスペースが余りすぎることから、急遽決めたのが「モチーフが載ってる本も一緒に飾っておこう」ということでした。

 当日実際にやってみたら、これが思った以上に効果ありでした。

 まず見た目。手作り感満載のチープな展示に比べて、装丁家さんが綺麗にまとめてくれた書籍のカバーはやはり本物感がすごいんですね。ここだけで一気にクオリティをアップしてくれていたような気がします。
 まあその分チープな側の偽物感が強調されちゃったみたいで、会期中「これ許可取ってるんですか?」といぶかしげに聞かれることも一度や二度じゃなかったです。「はい、作者なので」と答えても「ああ、じゃあキャラクターデザインを担当した人?」とか聞かれたり、とにかくモグリの業者感が拭えないようでした。まあ、見た目が怪しいだのアジアの怪しげな売人っぽいだの言われたりもするしな僕……(自覚はありません)。

 でもそれ以上に、通りすがりにカバーが目に入って「この本知ってる!」「この本お世話になったんだよー」「俺が今の業界でやれてるのはこの本のおかげなんだよ」と熱く語る声が聞こえてくることの方が多かったです。それも、「通り過ぎる瞬間に書籍が視界に入ってバッと振り返って二度見してびくっと固まる」「早足で戻ってきてキャラクターをじっと見つめる」という人がけっこういました。その反応が、思い入れの強さを物語るように感じられて嬉しかったです。

 中には「もしかしてご本人ですか?あの、お礼を言わせてください」と感謝の言葉を伝えてくださる方もいらっしゃって、時にはその最中に「本当に助けられたんです」と涙ぐんだりする一幕も。

 なんというか、「ああ、俺はけっこう良い仕事を積み重ねてこれた20年間だったのかな」とぼんやり思って胸が熱くなったりして。

 これだけでも出展してみて良かったなあ。

次があるかどうかは、1年かけてのんびり考えます

 ……というわけで、初回としては上々の結果。ものすごく楽しく幸せで充実した2日間を過ごさせていただきました。
 当ブースにご来訪いただいた皆様、声をかけてくださった皆様、そしてうちのキャラクターたちを気に入って購入してくださった皆様、本当にありがとうございました。

 ただその一方で、今回の結果は友人や心優しい読者さんやフォロワーさんたちによる初回ボーナスに過ぎないことも自覚しています。これで調子に乗って2回目出展!とかやると絶対壊滅的にさみしい思いをするパターンですよ。閑古鳥が鳴くに決まってる。
 それを避けるためには、初回ボーナスがなるべく続くようにとさらなるラインナップの拡充を図り、告知をもっとしっかりやって、展示もより目に付くように立体的に展開する必要があるかなーと。海賊版的な印象を払拭するためにも、しっかりデカい看板を掲げて「キタミ式のキャラクター販売してます&著者本人による手作り手売り会場です」とアナウンスすることも必要かもしれません。

 そこまでやる?うーん。

 だったらいっそ、イベントスペースを持っているPC書に強い書店さんと交渉して、新刊イベントやらと絡めて個展仕立てにさせてもらって、そこでジオラマ作成に使ったのと同じ各キャラを会場で販売するとか目指した方がいいんじゃないかという気も……うーん。

 ただ、なんというか、デザフェスが終わった瞬間のあの気持ちってけっこう格別なものがあったので、それをまた味わいたいような気もします。すごく疲れたけど、楽しかったんですよねー。やっぱり単なる来場者の時とはちがって、最後帰る瞬間の「ありがとうビッグサイト!」な感じはまったく別物でした。

 デザフェスは年に春秋2回あるみたいです。少なくとも秋はパスするとして、来年の春に出展を目指すか否かは、1年かけてのんびり検討したいと思います。

  1. もう より:

    成功おめでとうございます
    いやー、行きたかったです
    でも、海峡渡るのは遠いー

    売り切れなかったグッズ、通販しないかなー

    • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

      ありがとうございます。成功…なんですかね、基準がいまひとつわかってなくて(^-^;
      ただ、自分の中で判断するための材料はいろいろ揃ったので、たぶんあと2回くらいはやるような気がしてきてます。

      通販は、うーん、今のところは難しいかなあ。

      • もう より:

        通販は難しいですかー

        でも、あと2回は頑張っていただけそう、と。
        そしたら、次回は頑張って海峡わたるかなぁ。
        宿泊場所は赤門前に実家あるので何とかなるから、問題は飛行機代だな。笑

        • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

          飛行機代出してまで来ていただくのは申し訳なさ感がすごい…。
          そのうち多分バイクで北海道ツーリング行ってみると思うので、その時持参してどっかで1vs1の即売会しましょうか(笑)

          • もう より:

            わー、
            マジですか。
            それ、期待しちゃいますよ。笑

            • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

              お約束はできないですけどね~。でも数年のうちには行くんじゃないかなあ、北海道。

  2. デコピン より:

    二日間お疲れ様でした。
    人形の方がよく売れて良かったですね。顔の別パーツも机の上に並べ、テーブルの前面に顔が交換できることをアピールする大きなポスターを貼っても良かったのかな。
    逆にペンタブのホルダーは残念でした。たぶん、自分の使っているペンタブに使用できるのかわからないので購入する人がいなかったのだと思います。適合するペンタブの型番を表示しておいて、あとから購入できるようにしておいても良かったと思います。又はメルカリなどでの販売も良いかもしれません。

    • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

      そうですね、人形に対する食いつきが良かったのはほっとしてます。ラインナップを増やす原動力になりそうです。

  3. ジェットストリーム より:

    お疲れ様でした〜。
    私には無縁の世界ですが、さすがキタミさん、分析力がすごいですね〜!

    たしかにその道では、キタミさんはベストセラー資格取得本の著者として知られているでしょうから、あの本の著者がいます!あの本のキャラクターが購入できます!更には3体以上お買い上げの方には、著者がその場で直筆の『合格おめでとう!よく頑張りました!』または『試験頑張ってね!』サイン入り色紙がもらえます!とやったら、私が資格受験者ならかなり食いつくかも笑

    資格試験って勉強が大変ですし、その大変さも含めて青春の香りがするから笑、お世話になった参考書の著者が目の前にいたら間違いなく感動するでしょうねー

    • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

      「青春の香り」、いい表現ですね(笑)
      まさにそんな感じで、20代くらいの若い子たちが「懐かしい~」「お世話になったよねー」という反応を見せてくれていたのが新鮮でした。大学のテキストや企業の研修とかに使ってくれているところも多いんでしょうね。ありがたいことです。

  4. ちらみす より:

    お疲れ様でした!
    いけたら行きたかったんですが、どうして学校は5月に運動会をやるんですかね・・・秋にしてほしい・・・
    自分はきたみさん初期?の著書のおかげで、サラリーマンからフリーランスになりました。
    なのでその後の資格試験のベストセラーは、すごい成功者だと思っています。
    そのうち子供にITパスポート、基本情報の本をプレゼントする予定です。
    親子2代でお世話になります!

    • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

      あ!当日買っていってくださった方の中にも、「親子2代で」って言ってくださる方いましたよ!
      すごく嬉しいです。ありがとうございます!

  5. @slave_2_u より:

    「きたみ本人手作り」とか「きたみ公式作品」とかをポップなどで強く打ち出しておくと良かったように思います。
    しかしきたみさんが多芸すぎて、技術書の著者がイラストどころか立体化までやっているとか、一般の人は想像しなかったのが残念です。

    • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

      ほんとそうなんですよねー。どうしても自分の存在をアピールするのって気恥ずかしさしかなくて躊躇しますが、次をやる場合は「著者本人作の立体を本人が手売りしてます」的なことがわかる記述を、どこかに大きく掲示すべきだと痛感しました。

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