実際に移行するかは別として、とりあえず試しに実データで速度比較をしてみようと思い立ったのが前回までの話。
ここで候補として定めたのがカラフルボックス です。クラウド型であること、速度に不満が出た場合後々スペックアップしていける幅が広そうなこと、アダルト利用と混在ではない安心感…などがその理由でした。
ではさっそくカラフルボックスに申し込みをして、このブログが稼働するようにデータを移してみましょう。サイトに行くと、「お申込み (30日間お試し)」というボタンがあるのでそれをクリックして…
検討したいグレードは「仮想CPU×3 メモリ4GB」のスペックとなるBOX2プランです。続く画面でそれを選んで「次へ」ボタンを押し…と、画面に従って申し込みを進めていきます。
基本的には画面の指示に従うだけなので、申し込み完了までは取り立てて言うこともなし。契約後はコントロールパネルでWordPressをインストールして、使えるようにしておきます。
WordMoveでデータ移行を試みるも断念
普段、ブログのカスタマイズを行いたい時は、WordMoveというコマンドを使って仕事場に置いてあるテストサーバとさくらのレンタルサーバを同期させるようにしています。ちょっとしたCSSの調整なんかは直接本番サーバに上げちゃいますが、基本的にはテストサーバ上でカスタマイズ作業と検証を済ませるようにしています。
本当はさくらのレンタルサーバにはそういったステージング環境(テスト用に使えるコピー環境)の構築が機能として用意されていて、それが魅力的に思えてあそこを利用することにしてたんですが、いざ使ってみたら自前でコピー環境作って自分好みのエディタで開発する方が断然効率が良かったんですよね。それで結局その機能は使わなくなっていました。
それも今回「さくらを使い続ける意味が見えない」となった理由のひとつです。
まあとにかく、そうやって本番環境のデータをコピーして持ってくることはできてるんだから、それを新しいサーバ側に差し向けてpushしてやればあっさり移せるんじゃないかな…と。
駄目でした。ファイルは移せるんですけど、データベースがうまく書き込めない。
たった1回しかやらない移行作業のために色々調べて試す気も起きないので、この方法で移行するのはあっさり断念。
DuplicatorというWordPressプラグインを頼ってみる
続いて試すことにしたのがWordPressのプラグイン。なんでもDuplicatorという、環境を丸ごとコピーして余所に持っていける便利なプラグインがあるらしい。
移行元のWordPress環境にこのプラグインをインストールして実行すると、ブログのデータをひとつのファイルにまとめてくれるので、その時生成されるインストーラとセットで新サーバに持っていってインストーラを実行すれば丸ごと移行できますよーというものです。
これはあっさり上手く行ったー…と思ったんですけど、駄目でした。サイトを開いてみると、移行先のカラフルボックスでは日本語がすべて文字化けしています。文字化け以外は完璧正常に動いてるんですけど、日本語が全部「???????」ってなっちゃってるから、何が書いてるかまったく読めやしない。
WordPressの管理画面で見ても、投稿データなどのこちらが作り込んだ部分についてはすべて同様に文字化け。phpMyAdminでデータベースを開いて実際のデータを眺めてみるも、やっぱりそこでもオール文字化け。こりゃサイトの設定とかじゃなくて、データ移行自体にしくじってるなあ。
気になってデータベースの文字コード設定を見てみたら、次のようにさくらのレンタルサーバとカラフルボックスとで違っていました。あ、これですね。
さくらの方は、character_set_databaseもcharacter_set_serverもutf8mb4であるのに対して、カラフルボックスでは両方utf8がセットされています。なんだよどっちもUnicodeじゃねえかよ固いこと言うなよもー!とか思いつつ、じゃあどうしようかなあ、カラフルボックス側の設定を揃えてやればDuplicatorで処理できそうな気もしますけど、ここを変えた時のWordPressの影響範囲よくわかってないからなあ。
phpAdminでデータベースのエクスポート→移行先サーバでインポート
どうしようかなあと考えて、よく考えたらその程度の差異ならデータベースに吸収させればいいじゃんと思いつきました。データベースを管理するphpMyAdminにデータベースのエクスポートとインポートの機能ありますもんね。
そんなわけで、まずはさくらのレンタルサーバ側。phpMyAdminでエクスポート画面を開いて、データベースの中身をすべてファイルに保存します。
そしたら今度はカラフルボックスのサーバへ移動。同じようにphpMyAdminの画面を開いて、今度はインポート画面で先ほど保存したファイルを指定して実行します。この時、Duplicatorで作ってしまった既存のテーブルとその中身は全て削除しておきます。
文字セットを指定するところがあるくらいなんだから、これで正しくいけるはず…。
これが思った通り。ちゃんと正しくインポートされて、無事にカラフルボックスでもブログが正常稼働するようにデータ移行できました。
速度比較では明確な差が出た
さて、じゃあ早速引っ越し直後の状態で、さくらのレンタルサーバとカラフルボックスのBOX2プランでどの程度速度差があるのか(もしくはないのか)を確認してみるとしましょう。
まずは前回同様GoogleのPageSpeed Insightsから。フロントページを試したスコアで、左側はさくらのレンタルサーバで出た数値。右側がカラフルボックスで出た数値になります。
パソコン版は 46→64と18ポイントアップ。黄色レンジに変わりました。
モバイル版は24→36と12ポイントアップ。まだ赤レンジですが、一応評価は上がったようです。
GTmetrixの結果も見てみましょう。前回さくらのレンタルサーバでとった数値がこちらです。
カラフルボックスのサーバだと…スコアは正直誤差程度だなあ。YSlow Scoreの方は69%→64%と逆に下がってしまっています。Fully Loaded Timeは7.4s→5.5sなので、速度としてははっきり上がってるっぽいのが救い。
どのフェーズにどれだけ時間がかかっているのかを確認すると…
一番最初のレスポンスが帰ってくるまでのところで、さくらは3.02sなのに対してカラフルボックスは0.69s。もうちょっと内訳を細かく見る必要はありますけど、やはりここに大きな問題があるのは確かなようです。
最後は、ページ表示のどこに時間がかかったかチェックすることのできるブックマークレットでもチェック。まずはさくらのレンタルサーバから。
次にカラフルボックス。こちらだと「Webサーバでのページデータの準備」を示す緑色のバーが消えてしまいました。その箇所は表示に値するほどの時間を食ってないと判断して良いみたいです。
○倍というほどの差はないものの、WordPressの管理画面でも画面遷移が明らかに速くなっていたりと、カラフルボックス側の方が高速になっていることは間違いありません。
しかもここで使われているLiteSpeedというWebサーバには、開発元が直に開発を行っている専用のキャッシュプラグインが存在します。その相性の良さと効果の高さには定評があります。
要するに、カラフルボックスに移したことで取れるようになる高速化手段を一切行わない状態で、すでにこの結果が出てるというわけです。
サーバの素性が良いことはこれでわかったので、早々にお試し期間を切上げて正式契約してしまいました(でも契約期間はちゃんとお試しの30日が足された日数にしてくれてた。良心的!)。
その上でLiteSpeed Cacheの導入をはじめ、引き続き取れる高速化手段をすべて組み込んで、どこまでスコアが上げられるか試してみたいと思います。
こんにちは。
以前、MixHostを使ったところ速いけれども不安定だったため(つながらないときがありました)、エックスサーバーに変えたという個人的な経緯があります。
きたみさんのブログを拝見して、カラフルボックスが速く使いやすい(そして安い)ということで気になっています。
きたみさんの感覚では安定性はいかがでしょうか?
MixHostは不安定だったって声はちらほら目にしますよね。
カラフルボックスについては今のところ安定性に不安を覚えたことはないです。ただ、ドキュメント類が少なくて、Webを検索するとMixHostのヘルプばかりヒットするんですよね。それで助けられてしまうのは少しズルいよなあという気はしてます(^-^;
さくらからカラフルボックスへの移行を考えてます。
参考にさせていただきますね!
お役に立てば幸いです!