昨年から取り組んでいる『図解でよくわかる ネットワークの重要用語解説』の改訂版作業もいよいよ大詰めを迎え、版元の編集さんから束見本と色見本が送られてきました。
今まで改訂作業だとここまで細かくチェックが入ることはなかったように思うんですが、今回は2色刷りから4色刷り(フルカラー)に変わり、さらには紙も変更するオールリニューアルっぷりなので、ほぼほぼ新規の出版時と同じ工程を踏む感じになってます。
束見本は「本のカタチ」を確認する作業
こちらの真っ白な冊子が束見本。
この紙を使ってこのページ数の本を作るとこういう大きさになりますよーというのが確認できます。後々あがってくるであろうカバーの色見本が届いたら、くるんとこの見本に巻いてみることで、ほぼ完成形の状態でどんな印象になるか確かめるのにも使えます。
あくまでも束量の見本なので中身はこの通り真っ白です。
従来は固めでスベスベした紙を使っていたんですが、今回は紙の風合いを生かして少しやわらかめにする方向で進んでいます。その方が開きやすくもあるし。
そのあたりの感触、開き加減も、この見本で確認することができます。
紙の素材を「よりやわらかく、あたたかく」と言うのは簡単なんですけど、あまりやりすぎると幼稚な感じになりかねないし、その案配が難しいところです(といっても、それを手間暇かけてチョイスしてくれているのはデザイナーさんや編集さんであったりするわけですが)。
色見本は印刷イメージを確かめる
昔の無知な頃は色見本で大きく「色が違う……」となることもあったんですけど、作業環境のカラーキャリブレーションをちゃんとやるようになってからは、大きくイメージと異なる色が出てくることはまずなくなりました。
それでもやっぱり紙によって色の出方は変わりますよね。今回のだと、手ざわり重視にふってある分平滑度は劣るので、色の再現性は若干浅め(淡く)になっているように思えます。
今回は章ごとにキーカラーを変えているので、それらの色が大きく転んでないかチェックしたり、あと思惑通りに印刷するために何やら工夫をしてくれているようで、それが想定通りにできているかをチェック……するみたいなんですけど、正直よくわかってません。
イメージ通りだからいいんじゃないかな、うん。詳しくはわからんのでお任せ。
実際に紙に刷られた状態で新旧比較はこんな感じ。左が現在書店に並んでいる第4版のもの。右が今度出る第5版のものです。あまり変更がないページでこんな感じ。
変更がないといっても、それは内容に変更が少ないだけであって、絵自体は新しく描き直してます。
大きく変更が入ったページだとこんな感じ。
これだともう別物ですね。
本を書く作業の中で、こうしてじわじわと完成形に近付いて行くこのフェーズが、個人的には一番わくわくする期間かもしれません。これで細かく指定して、チェックして、神経を最後の1ページにまで張り巡らせて、その結果がどーんと見本誌としてあがってくる。新品の本のにおいとともに、ズラリと並ぶ完全に自分色に染められた本の束たち。
完成が楽しみです。