ピンポーン……とチャイムが鳴って、出てみたら宅急便。なんか買ったっけなあと身に覚えのない箱を開けてみたら、以前Makuakeというクラウドファンディングサイトで応援購入したApple Pencil用の替え芯でした。
そうだそうだ、純正の「プラスチックでガラスをなでるようなツルツルした書き心地が苦手」と思って、それが改善できるならと購入したんだった。すっかり忘れてました。
ペン先は摩擦の強さに応じて2種類用意されています
製品は、「Apple Pencilのペン先を、より摩擦感のあるものに仕上げました」という品です。もともとApple Pencilのペン先チップは劣化したら取り外して交換するようになっているので、それを、より柔らかい材質で作ったものみたい。
ラインナップは、「摩擦を強くしましたよ!」という基本タイプ(Normal)と、「基本タイプよりはもうちょっと摩擦を抑えました(でも標準のペン先よりは滑らなくなってます)!」という低摩擦タイプ(Low friction)の2種。どうせなら検証してより自分の肌に合うものを使うようにしたかったので、ここは2種類とも購入してみることにしました。
ピンク色で種別表示されているこちらが通常タイプ。
水色表示のこちらが低摩擦タイプです。
実製品版がどうなるのかはわかりませんが、クラウドファンディング上では、ペン先の色を黒と白から選べるようになっていました。
Apple Pencil本体にどちらのチップを付けているかひと目で確認できるよう色は分けておくとして……うーん。とりあえず今回は、通常タイプを黒チップ、低摩擦タイプを白チップにしておきました。
チップカバーではなく、チップ本体を付け替えるから精度や感度を損なわない
ifeliチップ自体は、Apple Pencilの1と2の両方に対応しているようです。今回は手持ちで現在愛用中のApple Pencil 2を用いて試すことにします。
で、こちらがApple Pencil 2のペン先。おなじみですね。
つやつやと光る様がいかにも滑りやすそう。カツンカツンと画面に当たるたびに鳴る硬質な音と感触も含めて、好きになれないペン先です。
ペン先はくるくる回すとこのように外すことができます。
今回の製品は、ペン先にカバーをするものじゃなく、ペン先のチップそのものを交換してしまうもの。なので、基本タイプ、低摩擦タイプ、いずれか好みのチップを純正品の代わりにくるくる回して取り付けます。カバーじゃないから、使用中に外れてとんでったりすることはありません。
交換後は、メモ帳やProcreateで書き心地と反応、あとペン先の位置精度を確かめてみました。
総じて特に純正チップから違和感を覚えるようなことはありませんでした。ペン先の感触としては、標準のペン先が持つプラスチック感のある硬質なものから、Wacomのタブレット用に一時期ラインナップされていたエストラマー芯に近づいた印象です。一方、画面にペン先をあてた時の反応速度、線が書き出される位置などについては、いずれも純正を使っているままの感覚で扱えていたと思います。
唯一異なると感じたのは筆圧の出方。そこはやはり硬質な純正チップの方が、軽い筆圧から強い筆圧までをリニアに反映できているような気がします。ifeliチップだとどうしてもペン先の材質がやわらかいせいで筆圧が逃げてしまい、特に強い筆圧については反映できる限界があるように思えました。思いっきり力を入れれば当然圧はかかりますけど、そうすると摩擦の強さが影響してペン先動かせなくなるんですよね。
2種類のチップで、好みは低摩擦版の方でした
両方を付け替えながらしばらく落書きをして試した結果、いずれもApple Pencilの標準チップから比べると断然良いと思えました。
「ツルツル滑る書き味が苦手」とか「カツンカツンとペン先が画面にぶつかる音を消したい」といったあたりにネガティブな印象を抱いている人なら、じゅうぶん満足できると思います。逆に、その滑りを利用してとにかく軽く繊細な筆致を駆使する人、最小筆圧から最大筆圧までをリニアに扱いたい人などは、先に述べた「ペン先の材質がやわらかいせいで筆圧が逃げる」という特性がマイナスに働くかもしれません。
じゃあ2種類のペン先、どちらが良かったかというと、個人的に一番相性が良いと思えたのは低摩擦タイプの方。感触的にこの組み合わせだと、Galaxy NoteやGalaxy BookなどSamsung社がチューニングしたWacomペンデバイスの摩擦の感じに近いんですね。僕はあれはかなり最善のさじ加減だと思っているので、その感触がiPad Proでも使えるのはうれしいのひと言なのです。
通常タイプの方は、それと比べると少し摩擦が強すぎる感じ。これはWacomのエストラマー芯にも言えたことなんですが、摩擦が強すぎるあまりに、鋭角な線などペンを切り返す時にひっかかりすぎてしまうんですね。ただ、意識して筆圧を軽く保てばコントロールできる範囲ではあります。
あと残る懸念は耐久性。
やはり摩擦が増した分(そして材質がやわらかくなった分)、チップにかかる負荷も大きくなるでしょうから、これがどの程度もつのか。もっとも、iPad Proの画面はツルツルのガラス面なので、ダメージを与えるようなものではありません。だから案外もつんじゃないかな~と思うんですけど、これについては要観察ですかね。
Galaxy NoteやGalaxy Bookのペンに近い摩擦、いいですね!
私も一時Galaxy Book所有したことがあり、
ギャラブのペン先が一番好みでした。
ペン先の“しなり”とかも含めてですが、
使ったことのある液タブの中では、
最も鉛筆に近い描き心地だったと記憶してます。
あの描き心地に近い感触で、
Apple Pencilの精度で描けると思うとワクワクします。
早速低摩擦版を入手してみます!
有益な情報ありがとうございました!
ギャラブのペン先、ほんと良い出来ですよねー。Apple Pencilも、これであとはペン先がもうちょい細くなってくれると嬉しいんですが…?
そう思います。ペン先に付けるカバーも試したことがあるのですが、ペン先が一回り太くなってしまい、それが理由のひとつで使うのを止めました。
今回もチップも、少し大きくなってるみたいに見えるので、どんな影響があるのかドキドキしてます?