先日釉掛けした試し焼き用の器たち。
本当ならもう1つ2つ釉掛けしたものを増やしてから本焼きに入る予定だったのですが、どうも器の高さの兼ね合い上、窯に詰めることのできる個数は現状でもちょっと微妙なラインっぽい。
じゃあいいや、どんどん気楽に試してこってことで、今ある器たちだけで本焼きを試してみることにしました。釉薬の濃さや混ざり具合を見る上でも、一度にたくさんやるよりも試行回数を多くした方が良さそうですしね。
窯詰めしてみたら、本当に案外入らない
本焼きでは、掛けた釉薬がドロドロに溶けてガラス質に変質しながら固まることになるため、素焼きの時とはちがって器同士をふれさせるのは御法度です。
したがって間を空けて入れていくと…
本焼きの窯詰めって自分でやるのはじめてだから、つい安全を見て必要以上に離しちゃいますね。そしたらこんぐらいしか入らない。ちなみにL字の柱は支柱です。
この支柱を安定のために3点置いて、その上に棚板を置いて複数段置けるようにするわけですね。
というわけで上の段にも器をちょこんと。
高さが取れないので、小さめのお椀しか置けませんでした。
窯詰めの効率を考えても、ちゃんと同じ寸法で安定して挽けるようにならないとなあ。
目標温度は1260℃に設定
窯詰めを終えたら、蓋を閉めてスイッチオン。目標温度は1260℃に設定しました。
窯の前面に表示される内部温度が300℃を超えてくるまでは、天板中央の湿気抜き栓を開けたままにしておきます。
300℃を超える頃には中の湿気が抜けきるので、そしたら栓をしてさらに放置するわけです。
電気窯はマイコン内蔵なので、特にこちらでそれ以外に行う操作はなくて、ひたすら放置で待つだけです。
朝出勤した直後にスイッチを入れて、夕方頃にピーク温度の1260℃に到達。その後焼成を終えるのを見届けて、中の温度が下がりはじめるのを確認。しかし一晩過ぎて翌朝になっても、窯の温度はまだ100℃以上を示しており、蓋を開けられる状態にありません。結局、蓋を開けても大丈夫な温度にまで下がったのは、焼成開始翌日の夕方18時頃でした。
ただ、本当ならもうちょっと外気と同じ温度に冷め切るまで待った方がいいのかな。
いざ器とご対面
では開けてみましょう。あくまでお試しで、釉薬の具合を確認したらゴミになるだけの器たちなんですが、それでもちょっとこう……なんかドキドキワクワクしてきます。自分で全部やると陶芸ってさらに楽しくなるみたい。
そんなわけでジャーン……まずは上の段……ひどいなこれ。
そんでもって下の段。ふむふむ。
まだほかほかする器を取り出して並べてみました。
まずは白マットを掛けた器。なんかボコボコしてますね。
釉掛けの時に気にしていたツブツブが悪さしたのとは違うボコボコ感。全体的に出ていることから、多分釉薬が濃すぎたとかかな。それか分厚く掛けすぎだったか。
後で陶芸教室に持っていって先生に聞いたら、やっぱり「濃すぎた」場合に出る症状だそうです。なるほど、次は薄くしてチャレンジだな。経験値ゲットだ。
続いては透明釉。これもなんか気泡が破裂したような穴が散見されます。
でもツブツブが悪さしたのとはこっちもやっぱり違う気がする。これも次はもっと水を足して薄くした状態で試してみよう。
中はこんな感じで綺麗なんですよ。多分ツブツブのせいなら、こっちももっと汚い仕上がりになったはず。
最後がマット釉。しっとり綺麗。これいいなあ、自分好みです。
これに関しては変な荒れ方もなく良い仕上がりでした。
中を見ると、白く輝きを放っている部分も出来てたりして、なんとも綺麗。
写真を撮って、そのまま放置しておくと、「キン……キン……」と澄んだ甲高い音が小さく聞こえてきます。バイクで走り回った後の空冷エンジンが、停車後に外気で冷えて奏でる音と同じ。
器が外気で冷やされて音を放ってるんですね。
電気容量的には気楽に使っても大丈夫っぽい
今回試した内容には、器の焼き上がり加減の他に、電気容量をどれくらい食うものかという確認も含んでいます。
宅内の電気系統はいくつか細かく分かれているから、まあ窯を使ってる間はそこの系統に別の負荷を加えないとして、それでも全体の契約容量を超えてしまうとバチンとブレーカーが落ちてしまうわけです。
今回は、窯を稼働させながら、あえて何も気にせずに過ごしてみました。エアコンは全開。コーヒーメーカーでコーヒーを淹れる。パソコンも使いまくり。電気だって当たり前に各部屋点けっぱなし。
結果、窯の使用には一切問題ありませんでした。さすがに電子レンジまで使ってみる気はおきませんでしたけど、それ以外は特に気にせず焼成しながら並行して生活していても大丈夫そうです。
あと気になるのは電気代かなー。