歳をとると10年なんてあっという間、それを実感することの多い今日この頃です。ほんと、ついこの間のことのように感じたものが、実は4~5年前のことだったり、5年前くらいかと思ってたら、実はもう10年が過ぎてたり。
これもそんなことのひとつ。
ちょうど今から10年前は、とある会社さんからまとまった仕事のオファーがあって、受けるべきか断るべきか、うんうん唸ってた時期だったのです。
正直4~5年前くらいの感覚でいるんですけど、もう10年経つんですねえ。
当時は連載を数多く回すことで生活の基盤を築いていた頃で、そのやり方で右肩上がりに売上は伸ばしていたものの、うっすらと「このやり方ではおそらくあの辺が天井かな」と、ゴール地点が見えつつある頃でもありました。
さらに上を目指そうと思えば、根本からやり方を考え直す必要に迫られる。多分この仕事のやり方を一生続けることは無理だとも思う。
そんな気持ちがある一方で、「さらに上を」といっても、普通に考えれば十分に高額な稼ぎをあげられていたもので、ここでそんなリスクを取る必要があるかという気持ちもありました。
そこへこのオファー。
いつもなら即座にお断りするところが、なにか巡り合わせのようなものも感じて即答できず。けっきょく受けると決めることになります。そうすると抱えている連載を次々と畳んでいかなきゃ追いつかない。そしたら何か自然とそういう流れにあちらこちらが向かっていって、当時は7本か8本くらいの連載を回していたと思うんですけど、いずれも綺麗に畳むことができました。
この時に、ぐるりぐるりと色んなものの方向が、一点に集約していくように感じたんですよね。上の記事にも書いてあるように、自分は運の流れを重視するたちなので、じゃあそれに乗ってみるとどこに辿り着くのか試してみよう…ってことにして。どんぶらこっこどんぶらこっこ。
そんな感じで気がつけば10年。
この時「できるかどうか自信がない」と思った仕事は、キタミ式情報処理技術者試験シリーズとして産声をあげて、その後色んな人との出会いと仕事の広がりをもたらしてくれました。
あの時もし、「無理に現状を変える必要はない」とその時の形に固執していたら、きっと今も目の前の締め切りに毎日追われて、頭の中に鳴り響く「嫌だ嫌だ」の声に苛まれながら日々を過ごしていたんだろうなと思います。
あ、頭の中に鳴り響く声の話はこちらのコミックエッセイで描いてますけど…
仕事仕事とがんばってたら、そういう時期がちょっとあったんです。うん。
やっぱり運の流れというものはある、と強く思います。
願わくばこの先、どれだけ歳を取ったとしても、そうした流れを感じた時は、変化することの怖さに尻込みすることなく、流れに身を任せられる自分でありたいものです。