Blenderは3Dプリントに向かないっぽいので、Fusion360で遊んでばかりいる今日この頃

　少し前から、どうもBlenderで吐き出したデータだと、うちの3Dプリンタの実力を出し切れていない気がしてたんですよね。こんなにカクカクしてたっけ？と。

　Blenderは基本的にローポリモデルを「あくまでも画面上の見た目を綺麗に整えてくれている」だけなので、その手助けがない素の状態になる印刷データだと、こんな感じにポリポリしたカクカクのデータになっちゃうんでしょう。いきなり初代PlayStation時代に引き戻されたような感覚を覚えます。

　じゃあ分割数を多くとってやればカクカクしないなめらかな出力が得られるかもと試してみたんですが、どうもなんかよろしくない歪みが出てきちゃう。当然データ量も跳ね上がって動作が緩慢になってくるし。難しいなBlender。

Fusion360だとどうなるか試してみよう

　Fusion360というのは、3Dプリンタを買って色々DIYして遊んでた時に使っていたCADソフトです。

3Dプリンタ遊びの時は、こんな感じでデータを作ってます

このサイトで3Dプリンタを取り上げはじめてから、「何に使えるのかと思っていたけど、意外と身近なところで活用できるとわかり、導入に対する心理的ハードルがぐっと下がった」という声をちょこちょこといただいてます。自分も購入前は同じように思ってい...

oiio.jp

2021.06.01

　もともと自分の作るキャラクターなんてものはどれも単純な形ばかりなので、Fusion360でも特に作るのが大変なんてことはないんですよね。

　というわけでちょちょいとルータを作ってみる。なんかBlenderで苦労したおかげか、Fusion360の操作(というかできること)が前より格段にわかるようになってるかも。

　では作ったモデルを3Dプリンタで出力してみましょう。

　そうして出てきたのが下の写真。左側がFusion360製で、右側がBlender製です。比較ポイントが見えやすいように色調をいじってます。

　左のFusion360製のモデルが出力品もつるりと綺麗な頭頂部なのに対して、右側のBlender製のモデルは段がついてカクカクした頭頂部になってしまっています。そしてその傾向はよーく見ると手・足・鼻と曲面すべてにあらわれてる。

　しかもこのルータ、Fusion360だと30分ちょっとくらいで描けちゃったんですよね。それでこれだけ綺麗なのが一発で出てくるとなると、ちょちょいと出力用のモデルを作るのはこっちにすべきなのかもしれない。

じゃあパソコンくんだとどんな感じか試してみる

　思いのほか自分でも簡単にモデルを作れるようになっていたので、続けてパソコンくんもちょちょいと作ってみました。
　3Dプリンタへの出力ソフトで、Blenderから吐き出したSTLファイルと並べてみるとこんな感じ。
　左がBlender製で、右がFusion360製です。

　ぱっと見は差がないように見えますが、Blenderから持ってきたものをよく見ると、胴体端の丸くカーブをかけてあるあたりはすべて段がついていますし、足の突起物も表面にぞわぞわと歪みのようなものが出ています。

　Blenderも継続して勉強は続けていくので、どこかのタイミングで綺麗に出せるようになるのかもしれませんが、今の段階では3Dプリント用途にBlenderを使う意味はないと判断して(出力品をあくまでも原型を作るタネとして使うなら別なんでしょうけど)、3Dプリント用のデータはFusion360で製作するように決めました。

　もともとは「Blenderの勉強」という目的があって、それで「せっかく3Dのデータがあるならプリントしてみよう」だったはずなので、3Dプリントを主眼においてツールを切り替えるなんていうのは物凄く本末転倒感がありますけど、なんかこれ(立体物作成)はこれでもうちょっと追っかけていきたくなっちゃったんですよねー。

本に描いていた子たちが目の前にあるのは楽しい

　なんで後戻りできなくなっちゃったかというと、これ。

　特に表面仕上げもせず、雑に色を塗ってみただけだからまあ汚いもんなんですけど、それでもこう目の前にちょんと置いてみると「ずっと本に描いてたやつらが飛び出てきてる！」感があるんですよね。

　思わずパケットも作って置いてみると、ますます「本の中の世界だ！」感が出てきます。しゃべりだしそう。

　これが、描いてきた身からすると、なんとも嬉しくなっちゃうんですよ。そしたら何かもう止まらなくなってきて、もっといっぱい並べて本の中の世界を表現できるくらい揃えたくなってきちゃったんですよね。

　で、ひとまずパソコンくんを完成させようと色々ディテールアップを図っていたら、こんな感じになってきました。

　なにやらすっかりプラモデル。笑えてきます。

　顔がパネル形式になったので、数種類作っておいて付け替えできると楽しいけど、さすがにはめ込んじゃったら取り外せないからそれは無理……じゃないな、磁石仕込めばいけそう。でもそこまでやる？うーん。

　どこかで終わりはつくらないといけないねと思いつつ、次々と改良点が出てくるもので、毎日時間が溶けていってます。