最近、工具箱を新しく買いました。
もともとは、もっと大きな工具箱に色々押し込んでいて、それとは別にソケットレンチセットがあって、もう一個別にハンダづけや電装品いじりする時の工具をつめた箱があって、整備内容に応じて必要な箱を持ち出すようにしていました。
でも、だいたいどれかの箱一個で済むことがまずないんですよね。
そして、どの箱も、その中身の半分以上を毎回使わないんです。
いい加減「これは非効率的だ」と悟るに至ったので、持ち出すのに苦にならない程度のサイズの箱に、「だいたいどの時もこれだけあれば大丈夫なことが多い頻出工具」をまとめたセットを作ることにしたわけです。
ところが、なんとなく使う物を押し込んでみると、たいした数を放り込んだわけでもないのにどうも使いづらい……。
ごちゃごちゃとしてどこに何があるかぱっとわからないし、一番使うドライバーを一番使う形状のまま(+2ビットをはめたまま)で収納しておけない。ビットやソケットはホルダーが固すぎて出し入れは両手でしっかり掴む必要があるし、ケースが嵩張るからと裸で入れてあるノギスはすぐ駄目になってしまいそう。
そこで3Dプリンタですよ。
今あげた不満をすべて解決できるように、細々としたパーツを作って工具箱を整理することにしました。ほんともう、自分にとって生活必需品です、3Dプリンタ。
テープ類の芯に、小物入れをはめこんでやる
まずは簡単なとこから片付けましょう。収納効率的にここを使わないとスペースがもったいないと、テープ類の芯に小物を押し込んでいるわけですが、当然テープを使おうと取り出せば、その中身は毎回バラけて片付けが面倒になります。
話は簡単で、この芯の内側にぴったりとおさまる小物入れがあればいいんですよね。
そんなわけで芯の内径を測り、するりと入るぐらいのフィット感で底のついた小物入れを出力しました。
小物入れとして芯から取り出すこともあるだろうと考えて、両面テープ+養生テープをあわせた高さよりもさらに高さを持たせて取り出しやすく仕上げたんですが、これが大失敗。ここまで高さがあると、蓋を閉じる時に上段トレイと干渉してしまうようです。閉まりません。
しょうがないからこの小物入れは別の場所でペン立てとして余生を送ってもらうことにして、ここには高さが出っ張らないジャストサイズのものを出力しなおしました。
うん、ぴったり。蓋も問題なく閉じることができます。小物入れがあることで、今まで上段トレイに置いてあったチューブ類も、ここに入れた方がおさまりよくなりました。
まずは1個解決です。
ビットホルダーは片手で出し入れできるものが良い
続いてはビットホルダーに取りかかります。
TONEのビットホルダーはがっちりまとめておく用のものなんでしょう、がっちりはまっていて、両手を使わないとはずせません。ポケットやケースの中にぽいと放り込んだ状態でバラけさせないためには必要な固さですが、工具箱の中で定位置を作って保管しておくのにこんながっちりさは不要です。
そんなわけでストンとビットが入るくらいの内径で仕上げたビットホルダーを作成し、3Dプリンタで出力しました。穴の深さがそこそこあるので、真っ逆さまにでもしない限りビットが抜け落ちることはありません。
とりあえず挿しておきたい本数にあわせて12穴タイプで作成。もっと挿しておきたい種類が増えたら、それにあわせて出力しなおせばいいだけという気楽さが3Dプリンタのいいとこです。
ここで登場するのが、毎回この手の作業をする時に使っているニトムズの『はがせる両面テープ(厚手)』さん。
こいつを使って、上段トレイの前側にビットホルダーをペタリと貼り付けてやります。
このためにホルダー背面に角度を持たせておいたので、工具箱の蓋を開ければ抜き差ししやすい角度でビットがあらわれる寸法ですよ。実にいい感じ。
これでさらに1個解決できました。
ここなら場所を取らないので、当初入ってなかったヘックスビットを複数追加できるようになったのも嬉しいポイントです。
ソケットホルダーも片手で出し入れできるものが良い
続いてはソケットホルダー。
ビットホルダーと同じく、これも片手で出し入れできるようにしたい。加えて、今無造作に放り込んであるソケットセットは「まず普段の整備では使わない」と思われる大きなサイズのソケットまでくっついていてやたらと場所を食っています。しかも、どれが何番のソケットなのか、ぱっと見ではわからない。
というわけで、バイク整備でこのへん使ってたよなーというサイズだけに絞ったソケットホルダーを作成しました。
これもビットホルダーと同じく、片手でスポスポ抜き差しできるぐらいの穴径に調整してあります。穴の傍らには、いくつのソケットがはまっているのかわかるように番号を刻印し、コンパクトなだけでなく視認性も向上させました。
これを、ソケットが取り出しやすいよう上段トレイの縦位置中央あたりに両面テープでぺたり。
チューブ類をテープの芯にはめた小物入れに移動できたことで、ラチェットレンチ一式をここに持ってくることができたのは嬉しい副産物でした。真ん中にソケットホルダーを貼り付けたのは、この上段トレイを細長く二分割することで、レンチ本体の定位置を作る役割も兼ねるためです。
残りの大きなソケット類は、元のホルダーにはめたままで、物置にお眠りいただきました。
というわけでソケット類の整理も解決です。
コンビレンチとドライバーがごちゃまぜにならないよう、縦に細長く区画を割ろう
続いては、上段トレイの逆側。ドライバーやコンビネーションレンチを放り込んである場所の整理に移ります。
ここの問題は、ドライバーを出し入れするたびに、その他の工具が、ドライバー収納スペースに雪崩れ込んできてしまうことです。ドライバーの高さが、工具箱の蓋がしまるギリギリくらいの大きさなので、コンビレンチ類がトレイ内に広がってしまっていると、それをどけてからドライバーをしまう必要が出てきてしまうんですよね。
地味にめんどっちいんです。
というわけで、ここにはまず上下二分割してドライバー専用スペースが作れる仕切りを作ってやります。
これを両面テープでぺたり。
ドライバー専用スペースができたのに加えて、コンビネーションレンチをおさめた側もほどほどにきっちりおさまってくれるおかげで、何かが下敷きになることもなくなり、ここに何本入っているか視認しやすくなりました。
で、これによってドライバーの出し入れが気安くできるようになったわけですが、出し入れのたびにドライバービットを付けて外してとするのはめんどくさい。
上段トレイにはまっている仕切りはどれも脱着式なので、これを真似てオリジナル形状の仕切りを作りましょう。長物を通せる凹みがついた仕切り板を出力してみました。
仕切り板をこれに交換すると……
ドライバービットをつけたままでも、綺麗におさまるようになりました。
これなら「使って戻して」にストレスがありません。きっと作業中も工具があちこちとっちらかったりしないようになる……はず。
これで上段トレイに抱いていた不満はすべて解消することができました。
ノギスの専用置き場を作ってやろう
そしたら最後は下段収納部側。あまりガチガチにレイアウトを固めてしまうのも後々使いづらくなりそうなので、こっちはある程度ごちゃっと放り込んだままにしておくつもりなんですが、唯一ノギスだけは、「取り出しやすく、かつ安全(傷ついたり壊れたりしない)」な場所を確保したいところです。
本当は専用ケースがあるんだけど、嵩張るんですよねあれ……。
というわけで、こんな形状の台座を作成。
どう使うかというと、こんな感じでノギスを置くのですよ。ちなみに台座開口部は、ノギスに付いてる固定用ネジを逃がすための穴ぼこです。
これを工具箱の端に貼り付けることで、ちょうどノギスが挟み込まれるだけのスペースができるわけですね。
で、さっそく貼り付けてたら、出力時の樹脂積層方向が、ちょうど力がかかる方向に弱くなってしまっていたので、ちょっとケースに押しつけただけであっけなく折れてしまいました。あー、失敗した。
そんなわけで積層方向を縦に90度変更して再出力。
今度はぐいぐい押し曲げてみても折れる気配がありません。大丈夫そうです。
では貼り付けましょう。ぺたり。
ちょこんとノギスを置いてみるとこんな感じ。
試しに工具箱を閉めて振り回してみましたが、この定位置から動くことはありませんでした。ばっちりです。
カスタム前後をあらためて比較してみると……
そんなわけでこの一連のカスタムによって、冒頭に挙げた不満点はすべて解消することができました。
こちらが今回のカスタム前。
で、こっちがカスタム後です。
自分がよく使う工具は、+ドライバー・ラチェットレンチ・ノギス・はさみ、あたり。それらがいずれも定位置を持ち、他の工具に埋もれたりしないようになったことで、すぐ出し入れできるようになって非常に使いやすくなりました。
下段スペースについてはもうちょっと区画分けして整理しても良いような気もしますけど……。それは使いながら、おいおい考えたいと思います。
[…] ●とっちらかった工具箱を、3Dプリンタで整理しよう (oiio.jp) […]
今晩は。
電動ドライバー、ネジザウルス、うあ、トネスイベルラチェットハンドルも同じだ。
結構似たような工具をついつい買っちゃうのですよね。私の場合、いつの間にか工具箱が五つになっています。
KTCで工具を揃えようと思ってたんですが、ふるさと納税でTONEの工具がもらえるとわかって、全部そっちに寄っていっちゃいました(^-^;