毎日やったら伸びるんだろうなあ……とは思いつつも……
なかなかそれを実行に移せないでいるのが、現状の陶芸との向き合い方。油断して雑にやると電動ろくろの上でぐにゃりと曲がってつぶれてしまって、せっかくのろくろを「楽しい」と思って扱えていません。
40年以上の付き合いですから、自分のことはわかっています。これはこのままだと何となく疎遠になって好きじゃなくなってしまうパターン。なんとかしなければいけません。
毎日やって変化を見ていくことにする
一番最初に比べたらなんだかんだとマシにはなっているわけですから、多分素養が欠片もないわけではないはずなんですよ。これも毎度のパターンでわかってるんです、こういう場合は毎日取り組むと何かの拍子でぽんとはねるんです。
今は「うまく行かない」パターンを経験として多数取り込んでる状態。これがある程度たまってくると、ほいとそれまで越えられなかった壁が、「なんで今までこれが越えられなかったんだ?」と逆に不思議になるくらい簡単に越えられる……はず。
と信じて、まずはしばらく毎日強制的に時間を設けてろくろを回してみることにしました。
まず1日目。
油断するとくてっと潰れちゃう。なんとかそれを避けても、一定以上の高さに挽き上げられない。チャレンジしようにも挽き上げられる気が一切しなくて、多分途中でくてっと潰れる。
一応形にしたものを指でつまんでみたら、厚みは下から上までだいたい同じにできてるっぽい。
でも手前のお椀以外は、ビアマグっぽい形状で、かつもう2cmほど高さのあるカップを意識して作ろうとしていたので、まったく目標に届いていません。これじゃあ蕎麦ちょこがせいぜいのサイズ。というかそもそも自分でぜんぜんコントロールできてない。
全部潰すことにして終了。
続いて2日目。
昨日は粘土の量が足りなかったのかもしれないと思って、玉取り(1個の器を挽くための粘土を上辺で取り分ける固まりのこと)する量をちょっと増やしてみる。
まず1番目。厚みが維持できる分安定してるけど、昨日と同じく高さが足りない。うまく内側に手を入れられなくて(ずぼっと入れた手で器が崩れてしまう)、それがために内と外でうまく挟み込めないから高く上げていけてない気がします。
道具を使えば済む話なんだけど、この程度のサイズで道具が必要なわけないと思うし……。
そう思いながら2番目。さっきの器が分厚いままで終わっていたので、もっと薄くして上に挽けるだろうと試みるもうまくいかず。薄くなるにつれて器の口が広がって崩れそうになってきたのでそこで断念。
続いて3番目。ちょっと上に挽き上げられるようになってきた。でもビアマグっぽい形にできない。あと分厚い。
4番目。あれ?細い円筒形のままするする粘土が上がっていくぞ?これで最後口をラッパ状に広げたらビアマグ……できちゃった。なんかコツが見えたかも。
5番目。さっき見えた気がするコツを使ってまた同じように挽いてみる。やっぱりそうだ。安定してするする粘土が上がっていきます。最後に口を広げてビアマグ状にしてこれも完成。
4番目以降、内と外で挟んだ指の間で、粘土の厚みを把握する感覚が掴めたような気がします。今までは「一定の速度で動かしていく」ことに懸命で、今指の間の粘土がどれほどの厚みかを目でしか確認できていませんでした。
指の感触で厚みを確認できたことで、「同じ厚みになったら指を上に移動させる」ことができるようになって、やみくもに速度にこだわるよりも、逆に速度を調整しながら厚みを一定に揃える余裕が出てきたみたい。
ってとこで2日目終了。
さて3日目。昨日見えたものがまぐれだったか気のせいだったかそれとも本当にレベルアップしたのかが問われる日です。
まず1番目。昨日掴んだと思ったコツを使ってそのまま挽いてみる。指の間の厚みをしっかり実感することと、外側の指と内側の指の圧力差をうまく使うこと。挽き上げる時は外を強めにして、内はそれを受け止める。広げる時はその逆。崩れそうになったら両手で包んでやって粘土全体を締めてやる。
おお、できた。やっぱりまぐれじゃなかった。
2番目は、そのまま繰り返すことができるかを実験。苦もなくできたので、内と外をスポンジで滑らかに整えてみる。
3番目は、挽き上げる手数をどこまで減らすことができるか実験。3手くらいで一気に完成に持っていこうとしたら真ん中あたりが少し薄くなってしまって歪んじゃった。
4番目は、普通に挽いてみたらあっさりできたので、そのまま手を止めずにどんどん高さを上げていってどのへんで崩れるか実験。最後は歪みましたけど、途中までは「全然余裕だなあ、どこまでも広げていけそう」と思いながら回してました。一昨日までは少し歪んだ器ですらままならなかったのに……。
4日目は削って取っ手をつけてみる
明けて4日目。
同じように挽いてみたものがそれぞれうまく形もサイズも揃ってくれたので、これをペアマグとして2組完成まで持っていってみることにしました。
電動ろくろを使った削りの練習もしたかったので、潰すつもりのものを先にいくつか削ってみて、やっぱり何度か失敗した後で少しコツをつかんで、いざ本命のカップへと移ります。
削り自体は少し慣れてしまえば手ろくろでやっていた時と共通項も多いので、むしろあれが手間なくサクサクやれて便利だなーと思いながら無事完了。取っ手もつけて、乾燥させるとしましょう。
この間本焼きしてみた時に、マット釉が綺麗だったからそれで仕上げてみようかな。
それにしても、たった3日続けてみるだけで変わるもんです。
3日目は器を4つ挽くのに粘土を練るところから最後の片付けまで入れて30分程度で済んだので、毎日1時間くらいを目安に生活の中に組み込んでいきたいなあ……。
久しぶりに道具を引っ張り出したら鹿皮に穴が空いて駄目になっていました。スポンジとあわせてAmazonで注文。近隣に陶芸道具を扱っているお店がないため、ほんとAmazonは助かります。