1kgフィラメントを利用するための、フィラメント供給機能付き外付け防湿ケースを作成する – 前編

 うちで使っている FLASHFORGE の ADVENTURER3 という3Dプリンタには、フィラメントのスプールを内蔵するスペースが用意されています。ただ、純正品の500gスプール用にできているため、1kgスプールはこの中におさめることができません。
 仕方ないので、スプールは外に置いて、フィラメントだけを内部に引き入れて使うことになるわけなんですけど……気になるのは湿気なんですよね。フィラメントが湿気てしまうと糸を引いたり造形に良くない変化が色々起きると聞いているので、そこはなんとかしたいところです。これから梅雨に向かっていくわけでもあるし。

 そこで、本体外部からフィラメントを供給することのできる防湿ケースを作ることにしました。

 ベースとなるのはこちらのYouTubeで紹介されている防湿ケースです。

YouTube
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 いい出来映えですよね~。動画を見てひと目で気に入ってしまいました。

 ただ、ここで使われているダイソーの3.9Lタッパーがうちの近所では入手が難しくなっていたので、同じ300円の密封容器5.5Lタッパーを使うことにしました。そこへさらに、他の方の工夫も盛り込むなどして、自分なりの最適仕様に仕上げてみました。

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防湿タッパーと3Dプリンタ間はテフロンチューブでつなぐことにする

 この手のボックスを作る際、やはり大事なのは極力外気とふれる範囲を狭めることです。
 動画の主もボックスにテフロンチューブをつけてフィラメントを外へ引き出すようにしていますが、できればこのまま3Dプリンタのフィラメント供給口に直結したいところ。そうすればその先でノズルに溶かされるまで、外気にふれることなくフィラメントを送り出せますからね。

 そんなわけで、ボックスから送り出す側はこちらのサイトを参考にしました。

 まずAmazonでテフロンチューブとワンタッチ継手がセットになった商品を買ってきます。

 これが届いたら、ダイソータッパーにM6用の穴をあけてワンタッチ継手をナットで留める。そのナットに、上記サイトで配布してくれているフィラメントの摩擦軽減用のキャップを3Dプリンタで出力して被せておきます。

 ひとまずこれで、送り出す側のテフロンチューブは設置完了。

スプールホルダー用のパーツを出力する

 続いては、ダイソータッパー内部に仕込むスプールホルダー用のパーツを準備します。
 動画に出てくるパーツは下記のサイトで配布されていますので、ありがたく3D出力させてもらいます。

 ただ、動画で用いられているのは3.9Lのタッパーなので、5.5Lのタッパーとは中の深さが異なります。当然、配布されているままだとスプールホルダーの長さが足りません。そこで、間をつなぐ延長パイプを自前で作成してこれも3Dプリンタで出力します。

 上の写真の、左右が配布されている3Dデータを出力したもの。真ん中にあるのが自前で作った延長パイプです。自前の延長パイプについては、下記に3Dプリントデータを置いておきますのでご活用ください。

 上記部品をタッパー内部に押し当てて穴位置を確認し、そのままドリルでタッパーにネジ穴をあけて、タッパーの底に長い方のパイプを、蓋に土台部分だけみたいな薄いパーツを取り付けます。これで、延長パイプをかましながら蓋を閉じると、タッパー内部にフィラメントホルダーが出来上がるわけです。

無印のワイヤーシェルフにひっかける用のフックを取り付ける

 うちの3Dプリンタの設置場所には、無印良品のワイヤーシェルフを使っています。なので今回の防湿ケースは、このワイヤーシェルフのサイドに引っかけて使うつもりでいます。
 というわけで続いてはフックの作成。ワイヤーシェルフ引っかけ用のフックを作って、防湿ケース底面に取り付けるのです。

 引っかけたケースがぐらぐら動くのは好みじゃないので、ワイヤーシェルフのフレーム部分にがっちり食いつく程度に調整してフックをモデリングして出力します。

 このパーツは、フック部分とプレート部分にわかれています。これをタッパーの内と外にあてて、互いをM3の皿ネジとナットで締めることで取り付けるわけです。

 取り付けは防湿ボックスの底に4カ所。ネジ穴をあけながら留めていきます。左右をそろえるために、ワイヤーシェルフにひっかけて水平を確認しながらネジ穴をあけていったので、まあめんどくさいこと……。

 実際の設置場所にひっかけるとこんな感じになります。だいぶ完成が見えてきました。

 フックの内径がフレームの太さギリギリなのと、そのきつさで上下4カ所をひっかけているので、かなりガッチリと食いついて動きません。良い感じですね。

 このフック一式の3Dプリンタ用データも下記に置いておきます。もし使いたい人がいればご利用ください。

 というあたりでだいぶ長くなって疲れちゃったので後編に続く。

  1. […] […]

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