2021年の冬に買って以来、便利に使用しているARAIのプロシェードシステム。
ヘルメットのバイザーを「日中はスモークシールドっぽく使えて、夜間はクリアシールドに切り替えられる」選択肢には様々あるわけですが、考えてみればこれでOGKのインナーバイザー方式とSHOEIの調光式シールドとARAIのプロシェードシステムの三種を、実際にユーザーとして試し終わったことになります。
せっかくなので個人的な雑感として、それぞれの善し悪しを書いてみたいと思います。
インナーバイザー方式
まず現在ではポピュラーな存在になった感のあるインナーバイザー方式。ヘルメットの帽体内部でサンバイザーが上げ下げできるタイプですね。
個人的にはKamui1の時の印象があまり良くなかったのもあって、ちょっと今ひとつ感が拭えません。
まず内部に可動部分を仕込む関係から、どうしても帽体が大きくなってしまうこと。当然大きくなった分重量も増します。あとサンバイザーがおでこ部分に格納される関係から、一番流入量が多いはずである前面おでこ部分のエアインテークが塞がれちゃうのもマイナスポイント。
ヘルメットは「小さくて軽くて通気性が良い(でも不快なノイズは遮断してくれる)」のが良いと思う自分には、ことごとく逆のつくりになってしまっているんですよね。
あと、サンバイザーを下ろした時に、必然的に上下に明暗差ができるんですが、そのために道路の照り返しが逆に強調されるような感じがあって、妙にちらちらと眩しい光が入ってくるような感覚もなじめませんでした。正面はバイザーがある分、瞳孔が少し開き気味になっていて、そのためにバイザー下から入ってくる光が目障りになっていたんじゃないかと想像しています。
もっとも、現行製品だとサンバイザーの大きさも見直しが入っているでしょうから、このあたりは改善されている可能性が大です。
少しネガな要素を書き連ねましたけど、今はどのヘルメットメーカーもこの機構を採用したモデルを出しているぐらいですから、やっぱり便利ではあるんですよね。それはよくわかります。側面のレバーを操作するだけで、サンバイザーがシャコンと出てきたり、その逆にしまわれたりする動きは、使ってみると楽しいものです。
フォトクロミックシールド (調光式シールド)
次にSHOEIのフォトクロミックシールド(調光式シールド)。紫外線に反応して、シールドの色がクリアになったりスモークになったりします。
これは今でも大好きです。シールドだけで完結するすっきりさ。余分なパーツがないから走行に悪影響が出ることもないですし、もっと昔にARAI用に出ていた調光式シールドよりもしっかり濃い色に変化するため、スモークシールド的に使っていて違和感がありません。
ただ、スモーク-クリア間の色変化には数秒ほど時間を要するので、トンネルに入った直後2~3秒くらいはやっぱり暗いです。トンネルに入るのと出た時の明暗差が、意図せずより強調される感じはあるかも。
あと微妙に不便なのが、「今どれだけ濃い色になっているか」がヘルメット内部からはわからないこと。スモーク状態だと顔が隠せていいんだよねと思っていたらぜんぜんクリア状態でまったく隠せていなかった……ということが起こっていても、自分ではまったく気づけないわけです。
プロシェードシステム
最後は現在メインで使用しているプロシェードシステム。シールドの外側にサンバイザーをつけて、手動で上げ下げするものです。
「外にサンバイザーつけちゃうなんて無理矢理もいいとこだな!」と初めて見た時は正直笑っちゃったシステムなんですけど、いざ自分で使ってみたら「良いな!」しかないです。
まず意外と風の影響を受けない点。
上下に明暗差ができてしまう本来ならネガな点を、「視認性を保ちたい範囲はクリアに、それ以外をスモークに」というメリットに変えてしまった点。
外側にサンバイザーを付けたことでインナーバイザーのように帽体が大きくなる問題を避け、同時に跳ね上げている時もうまくおでこに空気を流しているから通気性の問題もない点。
そして、物理的に重ねてしまうので、「スモークシールドにするか否かを物理的に選択できる(自分で把握していられる)」点。
すべてが「良く練られてる」と感じます。ただ、当然可動部分が増える分ごてごて感は出るし、そこは調光式シールドのすっきりさにはかないません。
あと使っていて、「あ、これヘルメット用のサングラスだわ」とすごく思いました。インナーシールド式とちがってクリアシールドとの間に空間がほぼないので、視界に違和感が生まれなくて、それが日常生活でサングラスを装着した状態と酷似してるように感じたのです。
インナーバイザーと調光式シールドの長所だけをうまく取り込んだ印象です。
個人的な好みと雑感
そんな感じで、今もたまにSHOEI Z-7を被ると「フォトクロミックはやっぱりいいなあ」と思いますし、こっちのアストロGXを被ると「プロシェード良くできてるなあ」と感心するしで、この2つは甲乙付けがたいと感じています。
本音を言えば、シールドに液晶が入っていて照度センサーもしくは手動でスモーク-クリアを一瞬で切り替える「電子調光式シールド」が主流になって欲しかったんですけど、どうも主流になれないまま販売が終わってしまったようで残念です。
インカムやヘッドアップディスプレイ(HUD)など、ヘルメットから電源を供給したい用途は増えつつある昨今、帽体に電源を内蔵してシールドを表示用デバイスとして用いるのはあって良い流れ(そしてそのついでにシールドの色がいつでも自由に変えられるようになる)だと思うんですけど、まあヘルメットは数年で寿命がくる消耗品ですから、そういうコストアップ要因を盛り込むのは無理なのかな。
私はインナーバイザー式の物しか持っていません。
以前、MOMOのインナーバイザー式のヘルメットを使ったことが有りますが、バイザーを下ろすとメガネに当たってしまい、バイザーが使えませんでした。ショーエイのJ.Oも試着したら、バイザーにメガネが当たりました。本当に欲しいバイザーは冬の低い日差しをされるものなんですけど、オフ用のヘルメットじゃ今のバイクに似合わないのでどうしようか悩んでいます。
話は変わりますが、私は6月4日に行われたモトグッチィのイベント「 EAGLE DAY JAPAN 2023」に行ってきました。バイクタレントの平嶋夏海さんとのツーショットの写真も撮ってきました。
インナーバイザーとメガネは相性悪そうですね。そんな弱点あったか…。
EAGLE DAY行ってきましたか~。年々盛り上がっていってるみたいですね。MOTO GUZZIが盛り上がるのは良いことです(*´ω`*)
キタミさんの感想を読んで、次は私もプロシェードを試してみようかなぁ。あの無理やり感のある見た目から避けてました笑
電子調光式は車用サンシェードで試したことありますが、やはり反応の時間差が気になるし、半年もしないうちに反応しなくなってゴミ箱行きに。
ヘルメットのこの先の進化に期待!ですね
あの見た目、ちょっとためらいますよね(笑)
ヘルメットの進化という意味では他にも、バックトゥザフューチャーの「勝手に締まる靴紐」みたいな感じで、「普段は緩いのに、被ると自動でフィットしてくれる内装」とか出来ないもんですかね~。
アライのプロシェードは馴れるまでが問題かな、
カンカン照りの夏場は路面からの照り返しの眩しさとシェードの減光された光で目が疲れる。
カムイ3は口周りのスペースが無さすぎ、オデコまわりが暑そう。
最近調光式のシート(ピンロックシートの物だけどメーカー違い)が出たので利用してるが今一つ、 シールド2枚持ちか、サングラスが一番
自分のバイクと乗車姿勢だと、ちょうど眩しくなる部分がメーターあたりに合致してるのか眩しく感じずに済んでるんですよねー。路面の照り返しがクリア部分に来ちゃうと疲れますよね(^-^;
話がだいぶ横道にそれますけど、
オフロードライダーですけが、オフロード走行でシールド式のものは使い物にならないですね。すぐ曇ってしまって。
シールドを外せばゴーグル仕様にできますけど、ムリがあってカッコ悪いです。
唯一の利点は、冬場、ゴーグルより少し暖かいかな?ってくらいです。
言い方変えれば、夏はゴーグルの方が涼しいです。
なので、個人的にはシールドのタイプにもよらず、ツアラータイプのオフロード型ヘルメットって、ゴーグル仕様のものさえあれば要らないと思ってます。
オフロードを走らないというのであればシールド式でもいいと思いますが、そうすると、バイザーがデメリットにしかならない(特に、高速道路で)です。
ですので、オンロードオンリーの方は、バイザーの無い、こちらの記事で紹介されているものを使用した方が幸せになれると思います。
あとは、デザイン(柄)ですね。派手な物の方がいいです。そこを謹み深く地味なものを選んでしまうと、後々、後悔すると思います。
やっぱりオンオフは色々別物なんですね~。いつかはオフ車も1台欲しいと思いつつ…。