3Dプリンタ(FlashForge Adventurer3)をフル稼働で働かせていて、「とりあえず運用で避けよう」と見ないふりをして使っていた症状が「リールエラー」です。
本来はフィラメントリールに何か不良があった場合――たとえばフィラメントを使い切ってしまったり、絡まっていて送り出せなくなった――とかで発生するエラーだと思うんですが、普通にフィラメントが送り出せているのにこのエラーが頻出するようになってしまったのです。
原因は多分前回の記事と同じく、ガイドチューブを無理矢理引っこ抜いたから。
そのことがどう悪影響を及ぼしたかはわからないのですが、タイミング的にそこなのです。
このエラーが起きるとそこで印刷がストップしてしまうので、そのまま再度出力継続を指示したとしても、売り物としては使い物にならない継ぎ目ができてしまってお話になりません。とはいえ、原因を追及してどうにかするほどの時間もありません。
そこで、とりあえずはリール検査機能を設定画面でオフにして、「いいから黙って働けコノヤロウ」と無理矢理働かせていたのでした。ただ、これで印刷途中に止まる現象は回避できるんですが、どうもフィラメントの検知機能自体がおかしくなっているようで、樹脂交換時にも「フィラメントがない」とみなされて新しいフィラメントをノズル側へ巻き上げる機能が働きません。仕方なく、手動で強制的に100mmとか長さを指定して巻き上げさせていたんですが、これだと遅いんですよね……。
これらも、作業が一段落したわけだから、きちんとチェックしてやるとしましょう。
検知用センサーの金具を調整したらいいらしい
このリールエラー。どうやらAdventurer3では事例の多い障害のようで、「Adventurer3 リールエラー」で検索するといくつか改善例を見つけることができます。エクストルーダー内部にあるフィラメント検知用センサーの金具をちょっと曲げて調整してやると良いらしい。
エクストルーダーというのはフィラメントを巻き上げてノズル側へ送り込むための機械です。Adventurer3だと、左側のカバーを開いた時に、左上に鎮座してる黒いブロックがそれです。
本当はハウジングの左側面を丸ごと外してメンテナンスするべきなんでしょうが、めんどくさいのでこのまま分解作業に入ります。
エクストルーダーのフタを開けよう
まずエクストルーダーをハウジングに固定している、右側2カ所のネジを外します。あと、右下に留めてあるグレーのパーツは自作のフィラメント防湿ケースを接続するためのものなので、これも外しておきます。
そしたらエクストルーダーをぐりぐり動かしてみるとこんな感じで奥のネジが顔を出すので、それも外します。
最後に、エクストルーダーを元の場所に戻すと顔を出す上部のネジを外します。
これでエクストルーダーのフタが外せます。下側にあるフィラメント導入口には、ただ溝にはまっているだけの小さなパーツがありますので、落としてなくしたりしないよう気をつけましょう。
さて、じゃあ金具の調整をして……って、あれれ?
あれ?新型のセンサーになってる
ネット検索で出てきた情報では、ここに板バネのような形状の金具が入っていて、その曲がり方を調整してやることで感度調整できますよってことだったんですが、明らかにそれとは違う検知機構が組み込まれています。
公式サイトを見ると、どうやらこの新型パーツに置き換わっていた様子です。ここも不良が頻発して改良が入ったのかな?
うーん困りました。試しにフィラメントを通してみると……
なんか三角形の突起がフィラメントの出入りに応じて出たり引っ込んだり。
なんとなくやっていることはわかりますけど、こんなの自分でいじって直せる箇所ではないですね。そもそも部品が小さすぎて老眼の身には構造を視認することすら厳しいです。
でもまあせっかくケースを開けたので、せめて中の清掃だけでもしておきましょう。ひょっとしたらそれで何かしら改善が見られるかもしれないですしね。
エアダスターを吹きまくって内部はスッキリ。送り出し機構に挟まっていたフィラメントのカスもピンセットで綺麗に取り除きました。
これで何も改善が見られないようなら、そのうち基板ごと替えないと駄目かな。
その時にまたぐりぐり動かして奥のネジにアクセスするのが面倒だったので、そこのネジは付けないでエクストルーダーを元に戻しちゃいました。
ダメ元で動作確認をしてみましょう
おそらくは何も変わらないだろうなあと思いながら、新しいフィラメントをセットしてメニューから「樹脂交換」を実行します。画面には「シルクを糸の入り口に送ってください」という表示。フィラメントはもうセットしてあるんですが、ここで確認を押してもいっさい反応しないんですよね。たぶん「フィラメントがない」と判断されてしまっているんだと思います。
樹脂交換ではなく、今度は「押し出し」を実行してみます。やはり同じく「シルクを糸の入り口に送ってください」という表示で反応なし。
うーん。
先ほど分解したことで検知用センサーの位置はわかっているので、その前後を往復するようにフィラメントを何度か出し入れしてみると……
お、画面が変わりました!「確認」を押すとウィィィィィ……ンとフィラメントがエクストルーダーに飲み込まれていって……
やったー出てきた!
センサーの調子は怪しいままですが、ひとまず回避法はわかったので今後は「反応しないなら反応するまでフィラメントを往復させる」で乗り切ることにします。リールエラーは……検知機能をオフにしたままでいいかな。
三角形のピコピコ動いて検出してる部品は
ディテクタスイッチと呼ばれるもだと思います
認識不良はスイッチの接点不良でしょうね
接点復活剤で治ればいいですね
そんな名称なんですね、はじめて聞きました!
…ということは、このスイッチの内部に向けて接点復活材吹いてみたら治る可能性ありってことでしょうか。今度試してみます~。
治る
人・動物(の病気・怪我)が健康な状態に戻る。
あ、基本情報の本でお世話になった人ですね〜
絵がわかりやすくてよかったです。
スイッチがONかOFFかの2通りなら接点をショート又は開放させれば常にONにできますが、アナログな無段階のスイッチだと交換したほうが良いですね。
テスターを当てて電圧を測ればわかるかもしれないですね。
ありがとうございます~。
フィラメントの検知機能をオフにしておけばこのセンサーの出番はないので、それで済ませちゃいます(^-^;