先日、試す機会をちょうだいした葉車堂さん製のWacom プロペン2用木製グリップ試作バージョン。
その感想を記す中で、ニス塗りバージョンについては「欲を言うなら、ニスがもうちょっと厚みのある柔らかい感触の塗膜だと嬉しいかなあ」ってなことを書きました。書きました……けど、果たしてそれはほんとかな?と。
実際にニスを厚塗りしてみたらどうなるんだろうかと、自分でもちょっと気になったので試してみることにしました。
柔らかさを優先したいので、使用するのは水性ニスに決まり
普段はDIYで何か工作しても木目を活かすステイン系塗料やワックスばかりを好んで使うもので、ニスを扱うのは小学生の図画工作以来。とりあえずググって特性を調べてみました。ふむふむ。
どうやらニスには数種類あり、中でも塗膜が柔らかいのは水性ニスなのだそうな。自分としては柔らかい塗膜を厚めに塗りたい&使用部位的に臭いがきついのは嫌というあたりが要望だったので、じゃあこれだなとパジコの水性ニスを購入。
ちなみに、今回塗ってみるのは、試作品として送っていただいた中で、ゴムリングが付けられていたこちらの品です。ゴムリングを外すと通常品と同じ仕様らしいので、塗って感触を比較してみるのにちょうどいいかなと思った次第です。
それでは仕事場の隅に作ってある作業台で、ニスを塗り塗りしてみましょう。
厚みを出すために、5回塗り重ねる
1回塗りでも厚みとツヤの出る塗料らしいですが、一応あちこちの説明に書いてある通り、何度か塗り重ねて厚みを出すことにします。
なので1回塗ったら作業台に吊して乾燥させる。
塗料瓶の説明には乾燥時間は約1時間とあるので、1時間おきに作業台へ戻っては塗り戻っては塗りを繰り返します。
これを5回続けて、こんな感じに仕上がりました。
さっそくペンに取り付けてみます。
別角度から見るとこんな感じ。
うーん、正直これは……
想定だともっとぬらっと光って高級感が出る予定だったんですけど、なんかデコボコしてツヤが均一じゃないせいか、高級感があるとはまちがっても言えない出来に。ニス塗り難しいな。
肝心要の使い心地はどうかというと……
では使い心地はどうかというと、まず滑り止めとしては上々です。まったく滑る感じはありません。むしろ貼り付く感じすらする。あと、塗面にそこそこ柔らかさがあるので、肌へのあたりも優しいです。
ただ……ですね、使い勝手的にはまったく問題ないんですけど、さわった感触がなんというかこれ……ビニールなんですよね。そう、ビニール。だからさわってて、心地よさがぜんぜんないんですよ。
しかも厚みが増したおかげで、Cintiq Pro24のペンホルダーに刺さらなくなってしまいました。
これ、多分無理矢理押し込むと塗膜に傷がついて剥がれるなきっと。
結論としては、「木の質感を失わないレベルでニス塗りを施した」という葉車堂さん製試作品のバランス感覚は素晴らしかったんだな……と。
こっちはちゃんと木の触感があるからさわってて気持ちいいし、それでいて滑りづらくなってるし、見た目もいい。やはり本職はちがうなあ。
これ、ニスではなくウッドオイルの方が良かった的なやつかな…
ニスの「きゅっ」と滑り止めのきく感じが欲しかったんですよねー