忙しい最中にぶっこわれてくれた仕事場のLinuxサーバを解体して、Windowsサーバとリプレイスすることにしたのは今月頭に書いた通り。
ところでですね、このリプレイス作業中に起きた嫌な現象がひとつあったのです。サーバには外付けのHDDケースに容量大きめのHDDを2個つっこんで、これをデータ倉庫用ストレージとしてRAID1でミラー化して使っていたんですけど、このHDDケースの内蔵ファンが異音を発しはじめたのです。
ずーっと稼働させていたファンなので、一度電源を落として停止させたことで一気に寿命が来た様子。通常の風切り音に加えてコロコロコロコロコロ……と軸音らしき甲高い音が混じるようになっており、これがうるさくて仕方ありません。
いやーあるあるだなあとは思いつつも、しばらく稼働させてたらまた落ち着いて鳴り止まないかなと期待を寄せていたんですが、どうもそんな嬉しい奇跡は起こりそうにないことがわかり、あきらめて対処することにしました。
まずは現状の確認から
使用しているHDDケースは、センチュリー製の『裸族の二世帯住宅リフォーム (CRNS35U31CRF)』という製品になります。
ケース内蔵の機能でRAIDを設定できるし、各HDDの状態確認がケース上面のLEDによってすぐわかるので、お気に入りのケースなんですよね。できればこのまま使い続けたい。
とりあえずHDDを引っこ抜いてケースを開けてみるとこんな感じになっております。
駆動部分はケース後方に設置されたファンのみ。こいつが異音を響かせている犯人。
ネジは左上と右下の対角2箇所のみで留められているようです。ずいぶん奥まったところにあるけど、外せるかな……。
奥まった部分に位置する右下のネジが外せるか不安でしたが、筐体背面の鉄板が箱状には固定されておらず、ぐいと押せば後ろに倒れる(要は箱状に鉄板を曲げてあるだけ)ので、それを利用しながら細身のドライバを突っ込めば意外と苦労せず外すことができました。
装着されていたファンがこちら。
7cm角15mm厚で、消費電力が1.9Wのタイプ。これと同じ仕様のファンであれば替えが効くというわけですね。どうやら無事交換できそうです。
交換にあたり、配線処理をちょっとやっておこう
ファン接続用の端子はHDDケースの基板にピンが設けられているわけですが、これがずいぶんと狭いところにあり、手を突っ込むことができません。抜くのはまあケーブルを引っ張ることで済ませますけど、元の通りに挿し直せるかというと、ちょっと簡単にはできそうもない。多分細身のペンチを使えばなんとかやれると思うんですが、何回もやりたい作業ではありません。
ここは後々のメンテナンス性も考えて、配線をやり替えておくことにしましょう。
まず先ほど外したファンから伸びたケーブルをぶった切って、ファン側の切り口部分にギボシ端子をつけちゃいます。むー、線の径がギボシと合ってない。ちょっと不安だけど、まあいいか。
で、このケーブルだけを基板のコネクタに挿してやる。
ファンがついてない配線だけなら、手元を邪魔するものがありません。この状態だと、ペンチでそれほど苦労することなく挿すことができました。新しいファンも、どうせコネクタを付け替えないとこの基板には挿せなかったわけだから、それをギボシにしておいて、狭い場所ではなくてケーブルを引き出した先で付け替えれるようにしておきましょうねというわけです。
新しいファンを購入するも、穴径という問題にぶちあたる
交換用に買ったのがこちらのファン。7cm角15mm厚で、かつ12V 0.16A(12V×0.16A=1.92W)なので仕様的にはバッチリの品です。
X-FANって、昔一時期「静音だ」と評判になったXINRUILIAN製ファンのことですかね。型番的にもRDL始まりはその記憶に合致するので、ある程度安心感があります。
ところが届いたファンを見比べてみてびっくり。ファンのリブに掘られている穴径が元のケースファンとまったく一致しません。
筐体を見ると、ファン装着位置が単なるネジ穴ではなく、突起状になっています。この突起がおさまるネジ穴じゃないとあかんというわけなのです。
当然のことながら、通常のファンに設けられた穴は交換用に買ったファンの穴径が一般的です。なので、買った製品の問題ではなく、どのファンを選ぼうが必ずこの問題にはぶち当たります。うーんどうしよう。
ドリルで穴を広げちゃえば……と思うものの、穴の中心位置がちがいます。普通にドリルを差し込んだところで、大きくずれた位置に穴が広がっていくだけ。それではケースの所定位置に、はめ込むことができません。
少し考えて……「あ、そうか」と。
交換前のファンを、ドリルガイドとして用いることにしました。
二つのファンを重ね合わせて、ガッチリクランプではさみ、上側に配置した古いファンのネジ穴をドリル刃を差し込むためのガイドとします。この時に穴径ちょうどの刃を差し込んでやれば、ずれることなく下側のファンにも同じ穴が開けられるはず。
というわけでできあがったのがこちら。
無事装着できましたー。
途中、何度かリブまわりが割れそうな気配があったんですが、なんとか崩壊せずに済んでめでたしめでたしです。
ファンの配線を処理しよう
それでは交換したファンの配線を処理しましょう。今付いているコネクタに用はないので、ざっくりと大胆にケーブルをカットしちゃいます。
白い線はファンの回転数計測用なので使いません。ハーネステープを巻いて始末だけしておきます。電源のプラスを意味する赤い線と、マイナスを意味する黒い線にそれぞれギボシをかしめます。
そしたら基板から伸びているケーブルとギボシで合体。
ケース内で暴れないように、基板より外側の邪魔にならないところへケーブルを束ねて処理終了です。
これでファン交換が完了しました!やったー!
さて、どれくらい静かになったかなーとわくわくの実働テストに移ります。
電源を入れても、ファンはピクリとも動かない……
わくわくしながら、新しく構築したWindowsサーバ機にHDDケースをつないで電源ON。
「すごい!超静か!無音じゃないですかこれ!すごい!」と感激したのも1分ほど。手をかざしてみると何の空気の流れもありません。何のことはない、ファンが動いてません。
えーなんでー。
考えられることは色々あります。配線を間違えてるとか、ドリルで穴を開けるときに強く固定しすぎて軸がおかしくなっちゃったとか……そういえばそもそもこのファンが不良品じゃないことを確認する前にいじっちゃってる……元から壊れてて回らないファンだったって可能性もあるよなあ失敗した。
でもまあ、一番可能性が高いのは、線の径があってないのに無理矢理かしめて使ってるギボシ部分かな。ここは観念して、テスターで丁寧に1個ずつ確認していきましょう。
まずファンを外して、基板から伸びてるギボシにテスターをつないで電圧を確認します。あ、ラッキー、電圧が来てません。基板からここまでの配線部分が壊れてるってことはまずないので、明らかにギボシ端子で問題が起きてる。
良かった良かったと胸をなでおろして、ギボシを取っ払ったケーブルで再度電圧確認。今度は無事12Vで通電していることを確認しました。
取り外せるようにはしておきたいので、ハンダでつなぐのはまだ見送り。今度は細線用のカシメ端子でファン側と基板側のケーブルをつなぎます。
この状態で電源を入れたら、今度は無事にファンが回っているのが確認できました!やったー!
良かった良かった。
気になるファンの音は、「無音か?」と言われたらそんなことはないですが、少々控えめな風切り音がするだけで耳障りな音質ではありません。
これでまた、データ倉庫用ストレージとして長くお役目を果たしてもらうことでできそうです。
こうゆう手をかけたものは、愛着も人一倍ですよね。
古くてもう使わないものでも、直せるものなら直しています。でも使うところがないのがもどかしいです。
そうそう、直すのが目的になっちゃって、直したけど使いどころがないってこともままありますよね(笑)
HDDのバックアップはどのようにされていますか?
windows10でスケジュール設定可能な自動バックアップをしたいのですが、きたみさんはどのようなソフトでバックアップされているのでしょうか。
もし機会がありましたらきたみさんのバックアップ周りのお話をお聞かせください。
うちは、Windows10システム自体については、コントロールパネルにある昔ながらの「バックアップと復元(Windows7)」を使っています。これで、本体内に設置したでかいHDDに定期的にバックアップをとるようにしておいて、本体がいかれた時の復元用にしています。
それとは別に動画データなど、大きなファイル群は、BunBackupというソフトを使って、サーバのストレージと互いに同期をはかるようにしています。これでデータを二重化させています。
あとは日常的に使うファイル(特に仕事)については、OneDriveなどのクラウドサービスを使って、どの端末からでも同じデータ&履歴管理ができるようにしています。
という感じです。
参考になれば幸いです。
きたみさん、アドバイスありがとうございます!
めちゃめちゃ参考になりました。
今後もブログ楽しみにしております!