バイクのバッテリーを、AZのリチウムイオンバッテリーに交換した

 冬に入ってしばらく放置状態だったMOTO GUZZI V7に、久しぶりに乗ろうと引っ張り出してみたらバッテリーが死んでました。
 これに対して、「おおー、やっと時期が来たか」と喜ぶ私。
 というのもですね、元々2021年の頭にV7のレギュレーターを換えたのには「リチウムイオンバッテリーに交換する前準備」という意味があったのです。

 ただ、リチウムイオンバッテリーを使うんだったらレギュレーターを換える必要がある→レギュレーターは海外からの取り寄せになるのでいつ交換できるかわからん→でも今現在バッテリー死んじゃったから何かに換えなきゃいけない→じゃあとりあえず安物バッテリーでつないでおこうという判断のもと、激安バッテリーを装着したのが2020年末のこと。

 同時に、どうせ激安バッテリーなんてさほど保たないだろうからと、リチウムイオンバッテリーについても適合品を注文しておいたのです。

 それから2年。
 やっと押し入れで眠らせていたこいつらを登場させる時期が来たわけですよ。まさか2年も保っちゃうとはなあ激安バッテリーさん。ありがたいけど悩ましかったよこの2年。おつかれさま。

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バッテリー本体の軽さにおどろく

 そんなわけで死蔵してあったバッテリーさんたちの登場です。

 もうパッケージを持っただけでわかる驚きの軽さ。「中身入ってないんじゃないの?」って言いたくなるくらいに軽くて、思わず重さを量ってみると840gでした。

「おれの本より軽いやん!」と驚いてついでに本の重さも量ってみることに。応用情報の方が重いのはわかっていましたけど、基本情報でもバッテリーより重くなっていたとはびっくりです。

 さらにびっくりなのが、TESTボタン。バッテリー本体にインジケータとボタンがついていて、これを押すとバッテリーの充電状態を確認することができるのです。

 どうですかこのハイテク具合。鉛とはひと味ちがうぜって感じが格好いいではないですか。無駄に光り物ってわくわくしますよね。
 で、さっそく試すとLEDはフル点灯でした。2年死蔵してあったバッテリーさんですが、一応FULL充電状態ではあるらしいです。

 念のために専用充電器で満充電状態にしてから、バイクへ搭載することにしましょう。

 ちなみにこの充電器ですが、正直あまりいけてません。車両側ケーブルやワニ口クリップケーブルと充電器を専用コネクタでつないで使う形式なんですけど、このコネクタ寸法がギリギリ&個体差がけっこうあって、強く押し込んでもなかなかはまらなかったりするんですよ。うちのやつだと特にワニ口クリップケーブルが本当にひどくて、押し込む以前にコネクタをひん曲げる勢いで力を込めないとコネクタ受け側の入り口にすら入りません。
 従来使用していたOptimateのバッテリーチャージャーが非常に使いやすかっただけに、いきなりのこのチープ感は残念です。

バッテリーを交換しよう

 バッテリーが満充電になった翌日、交換作業に入りました。

 まずはサイドカバーを外し、みっちみちに詰まっている中から古いバッテリーを取り外します。
 すぐアクセスできる箇所にありはするんですけど、シートを外さないとプラス側のネジ穴にアクセスできなかったり、取り出しにはリヤブレーキフルードのケースをずらす必要があったり、配線かきわけたりと、微妙に手間なんですよねこいつ。しかも微妙に重いから、微妙にイラっとする。とにかく微妙にめんどくさい。

 取り出したバッテリーと、リチウムイオンバッテリーを比べるとこんな感じ。互換性のためか、高さ以外はほぼ同じサイズになっているようです。

 では重さはどうかというと、取り外したものはリチウムイオンバッテリーの約5倍の重さ。

 この4,468gの重りが840gに替わるんだから、けっこうな軽量化です。
 何より軽いから取り付け作業がまあ楽なこと。足りない高さ分は、バッテリー付属の台座を取り付けることで補うことができます。だから従来通りのバッテリースペースを使って、固定に困るようなことはありません。

 台座中央に空いたスペースは、そのうち配線を整理して邪魔な束をここに押し込むとか、リレーや変圧器部分をここに詰め込むとかに使わせてもらいましょうかね。

 バッテリーを設置した後も、上から押さえているプレートの隙間から、例のTESTボタンを利用することができます。

 バッテリーの状態をこうやって目視できるのは便利かな。

使用感にはちょっとクセがある

 リチウムイオンバッテリーの長所として、よく挙げられるのは次の4点です。

  • 小型で軽い
  • 自然放電が少ない
  • 長寿命
  • 強力な始動性能

 一方で、短所は次の通り。

  • 値段が高い
  • 低温時の始動性が安定しない

「強力なクランキングパワーが得られる」という謳い文句やレビューが頭にあったので、交換作業終了後、さぞかし元気よくセルが回るんだろうと期待してスターターを押してみたんですが、セルが回ったと思った瞬間、即座に電圧降下を起こして止まってしまいました。外気温は5℃前後で、そこまで寒い日でもありません。これが噂の「低温時の始動性うんぬん」というやつかと思い、いわゆる儀式(ライトを点けたり、バッテリーに負荷のかかる通電状態でしばらく置いてバッテリー内部の活性が上がるのを待つ)を行って数分。今度は無事、エンジンをかけることができました。

 しかしこの電圧降下の挙動、バッテリーがご臨終する時の動きに似ているので、心臓に悪い……。

 この後少し乗り回して、小一時間程度お店で時間をつぶして、また出発しようとしたら同じくセルが回らない。しばらく儀式を行ってから再出発。いちいち挙動がバッテリー死亡時に似てるもんだから、その後さらにバッテリーに負荷をかけ続ける儀式が生理的に気持ち悪い。うーん。

 まあキーをONにしたらすぐエンジンをかけようとするのではなく、その状態でセルは回さずにのんびりヘルメット被ったり手袋つけたりして、それからエンジンをかけるようにすれば「儀式」と構えずともスムーズに始動できる流れが作れるのかもしれません。

 とはいえ現状だと、「鉛バッテリーの方が気をつかわず安定して使えるし、しかも安いんだからいいんじゃない?」という気持ちが正直拭えないので、ぜひともこいつには長寿命を発揮していただき、その間に「いや、やっぱりこいつのクランキングパワーはすげえぜ、リチウムイオン最高!」と自身の不明を恥じる結末になってくれたらいいなあ……などと思うのでした。

  1. デコピン より:

    おはようございます。
    リチウムイオンバッテリーの始動性、気になりますね。1年後、2年後の検証もお願いします。
    でも、バッテリーの下にスペースが出来るのは良いですね。私も配線がごちゃごちゃしているので、ここに押し込めるのは良いなあ。
    私のV7Ⅲのリアブレーキフールドケースはペダルのすぐ上に有るので、確認は簡単です。

    • きたみりゅうじ きたみりゅうじ より:

      そうなんですよ、スペースできるのは大きなメリットなんですよね。V7って、シート下スペースないに等しいですもんね~。

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