今はモバイル用の仕事環境として、昨年の頭にSAMSUNG Galaxy Book 12インチモデルを購入して愛用しています。
僕がノートPCにモバイル仕事環境として求める要素は次の3つ。
- 絵描きマシンとして緊急対応の修正ができること
- 帳簿入力やブログ更新などのノートPC然とした作業ができること
- 本気の漫画原稿仕事も片付けられること
今でもこのGalaxy Bookが、1.5kg以下の持ち歩きできるWindows環境の中では、もっともペンの使い勝手が優れたモデルだと思っています。ただ、緊急対応の修正は可能ですけど、これで本気の仕事もしたいかというと、やりたくないのが正直なところ。画面も狭いですし、ペンの描き心地だって、普段使っているCintiq環境よりは数段落ちます。
そこでふと思いついて試してみたら快適だったのがCintiq CompanionとCintiq 13HDの2台体制です。
ところがこちらの環境だと、原稿書きや事務作業がやりづらい。もっとも、Galaxy Bookだって、この用途だとカバー兼用キーボードの限界があるので、できなくはないけど、最適とは言えません。
そう考えるとGalaxy Bookって、「どれもできる」けど、「どれも最適ではない」になっちゃってるんですよね。特に最近はブログの更新作業が増えたので、これを快適にこなせるマシンじゃないのはかなり痛い。
Cintiq 13HDが余っていることで、本気の絵作業環境については、ノートPC自体にその機能がなくても作りやすくなりました。じゃあペンタブ性能に縛られた機種選びをしなくても良くなってるんじゃないか…というわけで、今までと違う視点でモバイル仕事環境を選び直してみることにしました。
原稿書き&事務作業用途に最適なマシンは何か?
この視点でベストな1台を選ぶとしたら、自分的に文句なしに来るのはやっぱりThinkPad。今だと ThinkPad X1 Carbon になります。
筐体の薄型化にともなってキーボードの品質も一時期ほどではなくなったとはいえ、縦横ともに無理のないキーピッチと押しやすさに配慮したキートップ形状、自然なキー配列(と英語キーボードが選べるところ)はトップクラスのままですし、なんといっても別途マウスを必要としないレベルの快適さを持つトラックポイントは今も無二の存在です。
久しぶりに製品仕様を見たら、今って本体重量が約1.09kgなんですね。軽くなったなあ。
これであれば原稿作業にはまったく問題ありません。家で絵描き作業をやりたい時も、Cintiq 13HDをつないでやれば自分にとって必要な「2画面(うち1画面は液タブ)+ショートカット入力用キーボード」の環境は問題なく作れます。Intuos 3も1個余ってるから、携帯用にはそれを使ってもいいかもしれません。
その要素を満たしつつ臨時の絵作業もこなせるマシンは何か?
とはいえ、やっぱり本体にペン機能がついていると、ちょっとした修正を任せられる安心感があります。となると候補は ThinkPad X1 Yoga 。特に今年刷新を受けた2019年度版は先のX1 Carbonとの共通化も進んで筐体が小型化され、かなりいい感じの出来映え。採用されるペン技術もWacom AES2.0なので、反応速度などはそれなりに快適なはずです。
ただ、気になるのがまず重量。約1.36kgとCarbonに比べたら300gほど増えてるんですよね。「ペンが使える安心感」のために払う犠牲として300gは…どうかなあ。Galaxy Bookでペンを使っていた頻度を考えると、ちょっと無駄に感じてしまいます。
そしてより大きな問題が「このマシンにCintiq 13HDをつないで問題なく使えるのか」ってこと。ペンタブレット用のドライバがコンフリクトを起こして誤作動する可能性が否定できません。っていうか、誤作動する可能性の方がでかそう。
Webを検索しても使用例が出てこなかったので、LenovoとWacomにそれぞれ問い合わせてみたところ、Lenovoからは「こちらでは検証できないので実機用意して試してください(意訳)」、Wacomからは「タブレットPCで動作確認を行ったところ、ペンが正常動作しないことが多いみたいなので、ご希望の組合せでの利用はお勧めいたしかねます(意訳)」という回答をいただきました。
最悪、Cintiq 13HDを使う時だけ、本体側のペンデバイスをデバイスマネージャーで使用停止すれば使えるでしょうけど…。そこに不安が残るのは厳しいなあ。
意外な伏兵がMacBook Pro
と、ここまで検討していたところで、意外な伏兵としてあらわれたのがMacBook Proの13インチモデル。それというのも、次のOSアップグレードで、iPad & Apple Pencilが液タブ的に使える発表がされていたのを思い出したからです。Sidecarって機能がそれ。
iPadをサブディスプレイ化するアプリは今もあって、自分も愛用していますけど、あくまでも表示用であって、双方向の入力デバイスとは見なしていません。やっぱりそこまでのレスポンスはない。でもMac用のソフトなら実は結構高速だと聞くし、それが本家AppleにOSレベルでサポートされるとなると…意外と液タブとしていい感じになる可能性はないとは言えません。
しかもAdobeが今後iPad対応に本腰を入れていくであろう姿が容易に想像できる現状を考えた時、新型のiPad Proを買うことになるのは間違いないだろうし、それをフル活用できる機種選定にしておいた方が後悔せずに済むような気も。今は昔と違って、使用ソフトはどれもライセンス使用をMacとWindowsで混在できるようにしてくれているから、その点も困りそうにないし。あ、一太郎は困るか。まあいいや。
うーん、トラックポイントじゃないのがなあ。
Macは元祖だけあってトラックパッドの使い勝手がWindowsと比較にならないくらいに良いとは耳にするので、大丈夫かもと思いはするものの…トラックポイント並の快適さはあるんだろうか…。
購入は秋口までお預け
心情的にはすぐにでも買い換えるつもりだったんですが、MacBook Proが候補に入ってきてしまったことで、秋の新製品群を見終わるまでお預けとなってしまいました。
9~10月にMacBookの新製品が何か出るらしいし、それとあわせて前述のSidecarが正式リリースで実際どの程度使い物になるものか見定めてから決めようかな、と。
そもそもThinkPadにしても、CPUの世代がそう間を置かずに刷新されそうな気配もあるんですよね。今の2019モデルって新製品として出たばっかなのに、どれも直販で100台限定とかいう売り方してるし、ライバルのDellはより新しい世代のCPUを採用して今月から新製品を出荷することを考えると、追随しない方が考えづらい気がします。
うーん、でもお預けかあ。
せっかく検討したから、気になるスペックの比較表だけでも載せておこうと思います。
ThinkPad X1 Carbon | ThinkPad X1 Yoga | MacBook Pro 13″ | |
CPU | Intel Core i7 8665U Whiskey Lake | Intel Core i7 8665U Whiskey Lake | Intel Core i7 8569U Coffee Lake |
コア/スレッド数 | 4 / 8 | 4 / 8 | 4 / 8 |
ベースクロック | 1.90 GHz | 1.90 GHz | 2.80 GHz |
ブーストクロック | 4.80 GHz | 4.80 GHz | 4.70 GHz |
キャッシュ | 8MB Smart Cache | 8MB Smart Cache | 8MB Smart Cache |
TDP | 15W | 15W | 28W |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
GPU | Intel UHD Graphics 620 | Intel UHD Graphics 620 | Intel Iris Plus Graphics 655 |
GPUクロック | 1.15GHz | 1.15GHz | 1.20 GHz |
SSD換装可否 | 可 | 可 | 不可 |
LTE | あり | あり | なし |
本体サイズ | 幅: 32.3 cm 奥行き: 21.7 cm 厚み: 1.49 cm | 幅: 32.3 cm 奥行き: 21.8 cm 厚み: 1.55 cm | 幅: 30.41 cm 奥行き: 21.24 cm 厚み: 1.49 cm |
本体重量 | 1.09 kg | 1.36 kg | 1.37 kg |
画面サイズ | 14.0 インチ | 14.0 インチ | 13.3インチ |
画面解像度 | 3,840 x 2,160 px | 3,840 x 2,160 px | 2,560 x 1,600 px |
連続稼働時間 | 最大18.9時間? | 最大19時間? | 最大10時間? |
価格 | 約27万円+SSD代 | 約28万円+SSD代 | 349,488円 |
保証 | 拡張保守2年含む | 拡張保守2年含む | AppleCare+(3年保証) 27,864円含む |
Carbonの軽さとLTE搭載ってポイントはでかいなあ。ただ、絶対的な性能面ではMacBook Proに軍配が上がりそう。あとはペン…ドライバが共存できるかどっかで試せないものか…。
いずれにせよ、年内には…できれば消費税上がる前には、新しいのを買いたいものです。
Galaxy BookにCintiqを繋げるとどんな挙動になるんでしょうか。そこで微妙だったらYogaも似たような挙動になりそうですね…。
因みに自分もThinkPad X1 Carbonの購入を検討中なのですが、2019年モデルはキーボードとクリックパッドが劣化しているとのことです。2018年モデルが安く手に入る機会があったらそちらも検討した方が今回の用途には合いそうですね。
GalaxyBookとYogaって、ペン座標の検出方式が違うので、そこで試してもあまりあてにならないとこがあるんですよね。それがなければ試してみるんですが。
個人的にはMacBook Proにほぼ気持ちが固まりつつあります(^-^;