要望をパーフェクトに満たすトラックポイント搭載のメカニカルキーボード、『TEX Shinobi』レビュー

 昨年末に書いた記事の中で「トラックポイントを搭載したメカニカル式の変わり種キーボードを注文した」旨を記載していたんですが、待ちに待ったり約半年、ようやくその実物が我が家へと運ばれてまいりました。

 配列やメカニカルの軸を何にするかは自由に選べたので、ASCII配列&赤軸をチョイスしています。

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本体の特徴とおおまかなサイズ感

 本体の特徴は、なんといってもThinkPad伝統の7列配置キーボードを、メカニカルスイッチで構成したこと。トラックポイントとCherry MXキースイッチが同居しているというだけで嬉しくなります。

 製品には青いエンターキーキャップや、FnキーとCtrlキーの入れ換え、Macユーザー向けのCmdキーとOptキーなど、様々な交換用キーキャップが付属しています。上の写真はすでにカスタマイズ済みのもので、エンターキーは青に、本来左下隅のはずのFnキーは、その右隣のCtrlキーと入れ換えてあります。

 キーの入れ換えやトラックポイント用スイッチの挙動を設定するのは、キーボード背面のDIPスイッチ。

 デフォルトはすべてOFF。この写真の場合は、Fn<->Ctrlキーの入れ換えと、トラックポイントのセンターボタンをデュアルファンクションモードにするスイッチをONにしてあります。

 USB接続用のキーボードですが、オプションとしてBLE対応のBluetoothモジュールが用意されています。下記の写真はそのオプションモジュールを取り付けた状態。

 キーボード上部のカバーを外して組み込むんですが、取り付け前後でどこか出っ張るようなこともなく、綺麗におさまります。

 あ、そういえば製品写真を見ていた時は、パームレストがある分相当場所を取るんじゃないかと危惧していました。

 実際に届いてみると、意外と小さくてほっとしました。通常のテンキーレスキーボードよりも、カーソルキーやHome/End/Insert/etc…キーまわりが切り落とされてるから横幅が小さいんですよね。むしろTEX Shinobiの方が、それまで使っていたMajestouchと比べてコンパクトな印象を受けるほどです。

 考えてみたらThinkPadをベースにしてるから、それより派手にでかくなるはずもないんですよ。良かった良かった。

トラックポイントは本家より良い仕上がり

 このキーボードを語る上で欠かせないのがトラックポイント。購買理由の99%くらいはこいつです。G/H/Bの複雑なキートップ形状が、組み込みに苦心したであろうことを物語っています。

 で、このトラックポイントがまた良い出来なんですよ。違和感がない……どころじゃなくて、本家よりいい。

 まず、感度はOSを介さなくてもキーボード側で調整が効くようになっています。Fn + 1~9キーで9段階に設定できて、軽く動かしたい人、ぐっと力を入れて動かしたい人、いずれも対応可。かなり幅広く調整が効きます。
 自分の場合は 9 だと敏感すぎたので、6 に設定して様子を見ています。

 5日ほど使ってみましたが、驚いたことにお約束のドリフト現象も皆無。しかも今どきの薄型とちがってストロークが広くとれるせいか、3画面のディスプレイ環境をあちらこちらとビュンビュン動いて目的の場所でピタッと止まって……、まったく文句なしです。
 ちなみに接続はBluetoothで、特に専用ドライバを必要とすることもありませんでした。

 付属のトラックポイントキャップは、旧来のキャップと同じ品になるようです。

 真ん中がTEX Shinobiのもので、右側が旧来のソフトドーム、左側が旧来のソフトリムです。昔はこんなに高さがあったんだなあトラックポイントって(現行のThinkPad X1 Yogaだとこの半分もない)。

 使い慣れているソフトリムタイプに付け替えてみました。

 ただ、これだとちょっとキートップより、フチが飛び出し気味になります。操作はしやすいんですけど、タイプ中に指がひっかかるようなら元に戻そう。

 そういえば、上の方に書いた「センターボタンをデュアルファンクションモードにする」なんですけど、これは「センターボタンを押しながらスティックを動かすとスクロール動作、センターボタンをただ押しただけだとミドルクリック」という2つの機能を持たせるモードのことです。
 それ!それが欲しいんだよ!と本家ThinkPadを使っていていつも思う動作なので、これがサポートされていると知って歓喜しました。いやはや、本当に「ThinkPad好きがとことんこだわって作ったキーボード」なんでしょうね。気の利き具合が半端ないです。本当に本家よりいい。

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キーのタッチとキャップ形状

 キートップはハイプロ仕様で、少し湾曲がきつめのタイプライターちっくな形状になっています。メーカー側の説明には「Retro keycap design」とありますね。確かにレトロな感じが、レトロなThinkPad配列ともマッチして好きな雰囲気です。

 ただ、キートップ自体は少し慣れが必要かも。どうも凹部の指を受ける面積が狭い気がするんですよね。正確に打たないと凹部の縁にすぐ指が乗ってしまいます。

 FILCOのMajestouchでもキートップをハイプロ仕様に換えて使っていたので、3者を見比べてみました。左から順にMajestouch標準キーキャップ、Majestouch用ハイプロ仕様キーキャップ、TEX Shinobiキーキャップになります。

 感触としてはMajestouch用ハイプロ仕様が一番気持ちいいかなあ。指のおさまりがいいんですよね。とはいえまあ、慣れたら気にならなくなるのかな。

 スイッチは赤軸を選びました。

 赤軸って、リニアタッチなのはいいんですけど、軽すぎるきらいも少しあって、それが毎度「黒軸とどっちにしようかなあ」と悩む理由になっています。ところがこの赤軸はすごくいい。指の自重では沈まない程度に反力があり、といって叩くまでもなく押し込むことができるちょうど良い重さ。
 同じ赤軸仕様のMajestouchと比べてぜんぜんちがうんだけど、何が原因なんだろう。キートップとの組合せが絶妙なのかな……。

 ついでにトラックポイントのボタン部分も、キートップを外して確認してみました。

 あれ?こっちはCherry MXスイッチじゃないっぽい。これはどこのキースイッチなんだろう。
 感触はクリック感のないリニアタイプで、赤軸よりもスコンと押せる感じ。これはこれで悪くないです。

Bluetoothは誤入力知らずで反応も良好

 これまでに書いたように、本製品はBluetoothで接続しています。ところで今までBluetooth&メカニカルキーボードには何度となく裏切られてきてるんですね。

 これまでFILCOの製品を3種類ほど試してきましたが、いつも入力が暴走して駄目。どのドングルに換えてみても、「きょうはあああああああ」となったり、Deleteキーが暴走して書いたものがすべて消去されてしまったり。

 こりゃアカンわと諦めていたんですが、今回のTEX ShinobiはBluetooth4.0のBLE対応ということで「もしかして」と期待してみたらこれが大当たり。まったく誤動作がありません。レスポンスも上々で、電波強度に問題を感じるようなこともなし。

 さすがにしばらくネットを見てぼけーっとしてるとスリープしちゃってますけど、再接続もスムーズなので取り立てて問題は感じてません。

 ちなみにこれ、Fn + (Mute / ボリュームDOWN / ボリュームUP) キーで3つの接続先を切り替えることができます。そんなわけで、Windowsマシン、Linuxマシン、iPad Proと3台登録して切り替えて使ってみたところ、いずれもキー入力およびトラックポイントの操作(含むミドルボタンスクロール)に一切問題ありませんでした。かなり互換性は高いようです(とはいえジェスチャーが使えないのでiPad Proで常用する気にはならないですけども)。

 おかげでLinuxサーバ用に転がしてあったUSBキーボードも片付けることができて、デスク上はこのとおりスッキリ。物も減らせたし、何よりケーブルがないのは最高です。

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Webインターフェースで各キーのリマップが可能

 さて、ここまで書いただけでも「まあなんてこだわりの極上キーボード」って話なんですけど、話はまだここで終わりません。
 なんとこいつ、Fnキーを含むすべてのキーをリマップできるようになっています。それも実在のキーを入れ換えるだけじゃなくて、マクロを登録してそれを特定のキーに割り当てたり、FnキーをFn1 Fn2と増やしてコンビネーションキーを増やしたりとなんでもあり状態。

 やり方は下記のサイトに行きまして……

 ウィザードに従ってマクロを作ったりキーの割り当てを換えたりすると最後にリマップファイルがダウンロードできるようになるので、それをダウンロードしてUSB接続したキーボードに転送するだけ。やってみたら超簡単だった。

 自分はこれで、「Win + X → U → S」というマクロを作り、それをPauseキーに割り当てています。これ、Windowsをスリープさせるキーコンビネーションなんですよ。Pauseキーいっぱつでスリープするので楽になりました。

どこにも隙のない仕上がりで、トラックポイント好きは買わないと損かも

 というわけで、書いても書いても書き足りない魅力が山盛りてんこ盛り。
 もうね、トラックポイント好きであれば、買って損のないキーボードです。というか買えるうちにおさえておくべき。正直、予備としてもう1台買っとこうかなと思うレベルです。

 個人的に、トラックポイントは廃れる一方で質も落ちるばかりと思っていたので、ここへきてこんな高品質な製品が買えるとは思いませんでした。

 デスクトップ用の省スペースキーボードを探している人、Bluetoothで接続できるメカニカルキーボードを探している人、そして昔のThinkPadで味わったトラックポイントの感触が忘れられない人。すべての人におすすめできる、そんなキーボードです。

(といいつつ、うちの個体は左下隅のキースイッチに不良があって、ただいまサポートに問い合わせ中だったりする……)

コメント

  1. sakana より:

    Lenovo公式だと1万円だけど、このサイトならメカニカルで2万円か…

    でも、トラックポイント好きだったら投資する価値がありますね!

  2. 匿名 より:

    日本語配列もあるんですね…いいなぁ。
    ここまで来るとバームレストがオプションのタイプも欲しい…。

    • きたみりゅうじきたみりゅうじ より:

      パームレスト部分がちょっと余分に感じちゃいますよね。

  3. 匿名 より:

    羨ましいです。
    いつ壊れるかヒヤヒヤしながらSSK IIを使い続け、4月にShinobiの存在を知って早速注文し、届くのを待ってます。
    早く使いたーい!

    • きたみりゅうじきたみりゅうじ より:

      SSK II懐かしい!うちでも押し入れに眠ってます。

      Shinobiは一部スイッチの不良が見つかったので交換してもらったんですけど、その配送も素早かったです。おかげで今は問題も消えて超快適。

      そちらも早く届くといいですね!

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