さらば KSR2

　今から10年以上前に個人売買で手に入れたカワサキのKSR2。今は亡き2stエンジンなので小柄な車体のわりにキビキビと走り、河川敷へテナガエビを釣りに行く時も「どこまでも藪をかき分けて突き進んでいけるぜ！」と軽量な車体を武器にあらゆる場所へ運んでくれた、頼もしい相棒でした。

キタ印工房: KSR2 アーカイブ

フリーのライター＆イラストレーターとして世の中をふらふら徘徊中の、きたみりゅうじのブログです。 出版物紹介の他、4コマまんがなどをまじえながら、日々のよしなごとを綴っています。 現在は に移転しました。

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　ただ、どうしても車両を複数台所有していると、立派なガレージでも持ってない限りは乗らない方がどんどん痛みます。痛んだら直すまで乗れないからますます乗らなくなる。そして腐る。
　KSR2に入れ込めばメインバイクのMOTO GUZZI V7が調子を落とすし、そっちに気持ちがいけばKSR2が調子を維持できません。バッテリーなんてすぐダメになっちゃう。

　原付2種登録だから維持費自体はかからないも同然なので、なんとなくこれまで所有を続けてきちゃいましたが、何度となく「メンテして復活させてはまた腐らせる」を繰り返してきて、そうするうちに自賠責保険も切れちゃったし。いよいよ今回諦めることを決意しました。

引き取り日当日、拭いてやったら綺麗なんですよね

　どうせ値段なんてつかないだろうからどうやって処分しようかな……と思いつつも、一応念のために複数社一括見積りサイトでテキトーに申し込んでみたところ、「写真送ってー」と連絡が来て、送ったらあっさり「個人売買で買った時と同じくらいの値段」で買取が決まりました。不動車だって言ってるのにこの値段。交換用に買っておいたキャブをつけかえてエンジンかかるとこまで戻したらいくらになったんだろう……。

　業者さんの引き取り日当日は、無用なトラブルを避けたい気持ちと、今までの感謝の気持ちの両面から、車体全体を軽く拭き掃除。こうやって見ると、まだぜんぜん復活させられる綺麗な状態に見えちゃうんですよね。未練だなあ。

　しばらくして、約束通りの時間に業者さんが到着。テキパキと処理が進んで、へんなクレームがつくこともなく満額お支払いいただいて、じゃあ持っていきますねーと積み込み開始。

　こういう時は、空が青いと逆にさみしくなるんだよなー。曇り空くらいがちょうど良いのに。
　そんなことを思いながら最後の写真をパシャリと撮影。

　今ひとつ活用しきれなくて申し訳なかったバイク。でも、たまに乗ってみるとパワーバンド入った途端にギュワーンと力強い走りをみせるところが楽しくて仕方なかったバイク。ちっこくて軽いから、ハンドルフルロック状態でぐるぐる八の字を回ってジムカーナごっこするのも楽しかったなあ。

　勝手な話だけどもう一度、どっかで元気に走らせてもらえるといいなあ……。